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新しい継母(ママ)
第1章 プロローグ
待ち合わせ場所は、家からすぐ傍のコーヒーショップ。
今日の場所と時間は父親がセッティングしたものだったが、当の本人は、急に決まった単身赴任先の大阪に行ってしまい、後のことは二人で頼むとメールが来ただけだった。

二人は店に入ると、庭が見渡せるテラスの一番奥の席に座った。

「はじめまして。友梨です。」

「あ、はじめまして。涼介です。」

父親からのメールに、友梨の写真が載っていたが、小さくてよくわからなかった。まさかこんな綺麗な女性だなって思ってもみなかった。

「私はアイスコーヒーにするけど、涼介さんは?」

「あ、僕はアイスオーレで。」

「苦いのはダメなのね?可愛い。」

「ひどいなぁ。なんじゃないよ。ここのが美味しいだけだよ。」

大して頭にきてはなかったが、緊張して思わずキツイ言い方になってしまった。

「ごめんなさい。私、そんなつもりじゃ・・・。」

そう言いながら、テーブルに置いた僕の手を、両手でかぶせるように握りしめてきた。

友梨の白くて長い指に包まれると、冷っとした感覚と、女性らしい柔らかい肌の感触が同時に伝わってきた。涼介は握り返したくなる欲求をぐっと堪えた。

「許してくれる?」

「考えておきます。」

今度は、冗談ぽく笑って言ってみせた。
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