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第11章 　秘密③

（2）
岩崎の家に遊びに行く日は土曜日だった。
佑貴も仕事は休みで家にいた。

いつものように千佳が淹れたコーヒーを飲みながら今日は本を読んでいた。
岩崎の家に行くのは午前11時頃だった。

身支度を整えて出かける支度をしていた。
今日、千佳はジーンズにパーカーにジージャンだった。

とてもラフな格好である。
千佳は佑貴にこう言った。

「これから友達の家に行ってくるからお昼は外で済ませてね」
「うん、分かったよ」

今回も佑貴はどこの誰の家に行くのかと聞いてこなかった。

「じゃ、行ってくるね。夕方までには帰ってくるから」
「うん、分かった」

そう話すと千佳はマンションの扉をパタンと閉めた。
そして、近くにあるバス停まで行きバスに乗った。

岩崎とはセンター南駅で待ち合わせることになっていた。
終点のセンター南駅で千佳はバスを降りた。

駅前には岩崎が待っていた。
その姿を見ると千佳は手を振った。

「待った？」
「いや、今来たばかりだよ」

「そう、良かった」