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郁と悠(もうひとつの物語)
第2章 報告
『弟よ、起きた?』
少し間があって、返信がありました。
『郁お姉様、起きました!』
そこには、寝起きのキャラクターが添付されていました。
『間に合うの、11時?』
『楽勝』
『今日、ダーリン出張って言ったっけ?』
『聞いてないよ~』
『だから、夜遅くまでデートOK!』
『デート?お姉、マジ?』
『デート!マジ!!』
『弟よ、ところで今日バイトは?』
『休み!てか、あっても休む!!』
それは他愛もない、一見普通の恋人同士のやり取りでした。そして人妻の郁は、そのやり取りのメールを、僕と一緒に見ていました。それも静かに、僕の手を握りながら。
『そして会う前に、お姉から弟に伝えます!』
『はい!』
悠の返信には、敬礼したキャラクターが添付してありました。
『今日は特別、素敵な日になります!』
『郁お姉様、どういう意味ですか?』
『お姉は、弟の彼女になります!』
そこには少しだけ、間がありました。
『彼女って?』
『だからお姉、今日弟の部屋に行きます!』
『何しに?』
『弟よ、いいから部屋を掃除しておきなさい!』
『はい!』
そこには、再び敬礼したキャラクターが添付されていました。
『弟よ、お姉はもうすぐ着く!』
『弟も着くであります!!』
それは11時前のメッセージでした。郁は待ち合わせの場所の、すぐ目の前にいました。
「郁、悠がそこにいたの、わかってたの…」
「なんでメール?」
「恥ずかしいから…」
郁は目を伏せて、本当に恥ずかしそうでした。でも、メールなら言えることがありました。
『部屋、片づけた?』
『うん、キレイにしたよ!』
『ベッドも?』
『うん?!』
『ちなみに、お姉が裸になれるレベル?』
『えっ!?』
『お姉が全裸になれるレベル?』
『マジ?』
『マジ!お姉は弟のベッドで裸になる!!』
『ホントに?』
『弟も裸になるのだぞ!』
『えっ?ドキドキ…』
『お姉もドキドキ(はーと)…』
郁からのメッセージには、ドキドキしているハートのキャラクターが付いていました。
「ここで悠に会った?」
「そう…郁も悠も、ドキドキしてた…」
次は午後3時過ぎ、やり取りが再び始まりました。
少し間があって、返信がありました。
『郁お姉様、起きました!』
そこには、寝起きのキャラクターが添付されていました。
『間に合うの、11時?』
『楽勝』
『今日、ダーリン出張って言ったっけ?』
『聞いてないよ~』
『だから、夜遅くまでデートOK!』
『デート?お姉、マジ?』
『デート!マジ!!』
『弟よ、ところで今日バイトは?』
『休み!てか、あっても休む!!』
それは他愛もない、一見普通の恋人同士のやり取りでした。そして人妻の郁は、そのやり取りのメールを、僕と一緒に見ていました。それも静かに、僕の手を握りながら。
『そして会う前に、お姉から弟に伝えます!』
『はい!』
悠の返信には、敬礼したキャラクターが添付してありました。
『今日は特別、素敵な日になります!』
『郁お姉様、どういう意味ですか?』
『お姉は、弟の彼女になります!』
そこには少しだけ、間がありました。
『彼女って?』
『だからお姉、今日弟の部屋に行きます!』
『何しに?』
『弟よ、いいから部屋を掃除しておきなさい!』
『はい!』
そこには、再び敬礼したキャラクターが添付されていました。
『弟よ、お姉はもうすぐ着く!』
『弟も着くであります!!』
それは11時前のメッセージでした。郁は待ち合わせの場所の、すぐ目の前にいました。
「郁、悠がそこにいたの、わかってたの…」
「なんでメール?」
「恥ずかしいから…」
郁は目を伏せて、本当に恥ずかしそうでした。でも、メールなら言えることがありました。
『部屋、片づけた?』
『うん、キレイにしたよ!』
『ベッドも?』
『うん?!』
『ちなみに、お姉が裸になれるレベル?』
『えっ!?』
『お姉が全裸になれるレベル?』
『マジ?』
『マジ!お姉は弟のベッドで裸になる!!』
『ホントに?』
『弟も裸になるのだぞ!』
『えっ?ドキドキ…』
『お姉もドキドキ(はーと)…』
郁からのメッセージには、ドキドキしているハートのキャラクターが付いていました。
「ここで悠に会った?」
「そう…郁も悠も、ドキドキしてた…」
次は午後3時過ぎ、やり取りが再び始まりました。