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郁と悠(もうひとつの物語)
第3章 葛藤
『もうすぐ駅。悠はどこ?』
『もう着いてる!』
『悠、今日散髪しよ!』
『エッチは?』
『もう!そんなことばかり言うと、お姉しないよ!』
『ごめんなさい、お姉(泣)』
『うん、わかればよし!』
『はい!今日は健全なデート(敬礼)』
『散髪デートであります(敬礼)』
『はい!でも、どこに行くでありますか?』
『お姉に任せて!』
そんな、たわいない会話が続いていました。
『パン屋姉弟(はーと)』
昼過ぎのメッセージには、美容室でカットしたての、郁と悠がいました。
「悠、なんかカッコよくなった?」
僕の言葉に郁がはにかみ、少し恥ずかしそうでした。
「美容師さんに、悠のこと、弟って嘘ついちゃった…」
「なんか言われたの?」
「美容師さん、お兄のこと覚えてた…」
以前、僕が美容室まで迎えに行ったことがありました。だから悠のことを、美容師は恋人とは思いませんでした。
「仲のいい弟さんですね…って」
「それから?」
「カットが終わったら、お昼過ぎてた…」
「これ、どこ?」
「空港…悠が行きたいって」
郁が少し悲しい顔をしました。その日、ふたりはバスに乗り、空港に行っていました。
「今日、一日空港にいたの」
「なんで空港?」
「悠、将来は外国で働きたいって…」
そこには空港内でたたずむ郁と悠の姿が、たくさん添付されていました。
「一緒に行きたい?」
「…そんなのできないよ、バカお兄」
郁がキスしてきました。僕が愛撫すると、郁の吐息が漏れました。
「今日はこれでお終い…」
「エッチは?」
「してないよ!残念ね、お兄…郁たちで興奮できなくて」
郁は見透かしたように、少し斜に構えて言いました。
「郁…もう普通じゃないね」
「どうして?」
「どうして?どうしてって、聞く?!」
郁が怒った顔で、僕を見据えていました。
「あたし、こんなことしてるのよ!」
郁はスマホをかざすと、動画を再生しました。悠との初めての時の、あの動画でした。
『…郁は、悠の彼女に、なりました…』
「こんな…こんな奥さんでいいの?」
郁は鋭い目で、僕を睨んでいました。僕はその目を逸らしました。
「郁が…郁がよければ、僕は大丈夫…」
「なんで?おかしくない?」
「…おかしいけど、もう仕方ないよ!」
僕は郁の下着を剥ぎ取りました。郁は本気で抵抗していました。
『もう着いてる!』
『悠、今日散髪しよ!』
『エッチは?』
『もう!そんなことばかり言うと、お姉しないよ!』
『ごめんなさい、お姉(泣)』
『うん、わかればよし!』
『はい!今日は健全なデート(敬礼)』
『散髪デートであります(敬礼)』
『はい!でも、どこに行くでありますか?』
『お姉に任せて!』
そんな、たわいない会話が続いていました。
『パン屋姉弟(はーと)』
昼過ぎのメッセージには、美容室でカットしたての、郁と悠がいました。
「悠、なんかカッコよくなった?」
僕の言葉に郁がはにかみ、少し恥ずかしそうでした。
「美容師さんに、悠のこと、弟って嘘ついちゃった…」
「なんか言われたの?」
「美容師さん、お兄のこと覚えてた…」
以前、僕が美容室まで迎えに行ったことがありました。だから悠のことを、美容師は恋人とは思いませんでした。
「仲のいい弟さんですね…って」
「それから?」
「カットが終わったら、お昼過ぎてた…」
「これ、どこ?」
「空港…悠が行きたいって」
郁が少し悲しい顔をしました。その日、ふたりはバスに乗り、空港に行っていました。
「今日、一日空港にいたの」
「なんで空港?」
「悠、将来は外国で働きたいって…」
そこには空港内でたたずむ郁と悠の姿が、たくさん添付されていました。
「一緒に行きたい?」
「…そんなのできないよ、バカお兄」
郁がキスしてきました。僕が愛撫すると、郁の吐息が漏れました。
「今日はこれでお終い…」
「エッチは?」
「してないよ!残念ね、お兄…郁たちで興奮できなくて」
郁は見透かしたように、少し斜に構えて言いました。
「郁…もう普通じゃないね」
「どうして?」
「どうして?どうしてって、聞く?!」
郁が怒った顔で、僕を見据えていました。
「あたし、こんなことしてるのよ!」
郁はスマホをかざすと、動画を再生しました。悠との初めての時の、あの動画でした。
『…郁は、悠の彼女に、なりました…』
「こんな…こんな奥さんでいいの?」
郁は鋭い目で、僕を睨んでいました。僕はその目を逸らしました。
「郁が…郁がよければ、僕は大丈夫…」
「なんで?おかしくない?」
「…おかしいけど、もう仕方ないよ!」
僕は郁の下着を剥ぎ取りました。郁は本気で抵抗していました。