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Love triangle +1
第5章 塁
扉を開ければ、既に浴槽にお湯を張っていた為、浴室は程良く温まっていた。
ファッションホテルではあったが、特に奇をてらう作りでもなく、清潔感溢れる明るく白を基調とした内装だった。
二人で入るには十分な洗い場に、広いジェットバス。
シャワーを捻り、お互い体の汚れを簡単に落としてから浴槽に浸かる。
温かなお湯がじんわりと全身を包んでゆく。
「気持ちいいね、真理愛」
心地良さが吐息となって表れた真理愛に、向かい合って浴槽に座った塁が破顔する。
つられて、真理愛にも笑みが浮かぶ。
「夕飯のピザ、美味しかったね」
「うん。あのお店、いつ食べてもとっても美味しい」
つい先程訪れたイタリア料理店の話題をひとしきりした後、塁の表情がふと引き締まる。
「真理愛。この間の事、なんだけど」
切り出す声は、緊張を纏っていた。
何かを感じ取った真理愛は神妙な面持ちで塁と見合う。
「もしもなんだけど。もしも答えが決まっていたとしたら、聞かせて欲しいんだ」
──プロポーズの、返事。
彼は今どれだけの勇気を振り絞っているのだろう。
それを知った上で尚黙ったままの真理愛に、塁は慌てて言葉を繋いでくる。
ファッションホテルではあったが、特に奇をてらう作りでもなく、清潔感溢れる明るく白を基調とした内装だった。
二人で入るには十分な洗い場に、広いジェットバス。
シャワーを捻り、お互い体の汚れを簡単に落としてから浴槽に浸かる。
温かなお湯がじんわりと全身を包んでゆく。
「気持ちいいね、真理愛」
心地良さが吐息となって表れた真理愛に、向かい合って浴槽に座った塁が破顔する。
つられて、真理愛にも笑みが浮かぶ。
「夕飯のピザ、美味しかったね」
「うん。あのお店、いつ食べてもとっても美味しい」
つい先程訪れたイタリア料理店の話題をひとしきりした後、塁の表情がふと引き締まる。
「真理愛。この間の事、なんだけど」
切り出す声は、緊張を纏っていた。
何かを感じ取った真理愛は神妙な面持ちで塁と見合う。
「もしもなんだけど。もしも答えが決まっていたとしたら、聞かせて欲しいんだ」
──プロポーズの、返事。
彼は今どれだけの勇気を振り絞っているのだろう。
それを知った上で尚黙ったままの真理愛に、塁は慌てて言葉を繋いでくる。

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