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Love triangle +1
第5章 塁
「うんって、言いたい。けど」
「けど……?」
不安そうな塁に身を切り裂かれそうになりながら、真理愛は開口する。
「私じゃ、塁の相手には相応しくないんじゃないかって」
狡い言い方だと思いながらも、これ以外の言葉が見付からない。
保身に走っているのではない。
自分はどんな罰を受けても当然なのだから。
どんなに取り繕っても結局傷付けてしまうのなら、彼のショックが少しでも軽く済む方法に変換するしかなかった。
「相応しくないって、どうして?」
案の定、塁の目が鋭くなった。
嘘や誤魔化しの効かない両眼が、真理愛を離さない。
「どうして、って」
口が裂けても本当の事は言えない。
真っ直ぐな塁の双眸を、真理愛は無意識の内に避ける。
「料理、得意じゃないし」
独り暮らしを始めた大学生になってからようやく自炊を覚えたが、未だにレシピを見ながらや簡単なものしか作れない。
コンビニやスーパーの値引き総菜で夕飯を済ます日も多い。
お互いの家で過ごす休日の食事担当は、専ら彼だった。
嫌な顔一つせず、器用に美味しい料理を作ってくれる。
申し訳ないなと思いながらも、いつも甘えていた。
「けど……?」
不安そうな塁に身を切り裂かれそうになりながら、真理愛は開口する。
「私じゃ、塁の相手には相応しくないんじゃないかって」
狡い言い方だと思いながらも、これ以外の言葉が見付からない。
保身に走っているのではない。
自分はどんな罰を受けても当然なのだから。
どんなに取り繕っても結局傷付けてしまうのなら、彼のショックが少しでも軽く済む方法に変換するしかなかった。
「相応しくないって、どうして?」
案の定、塁の目が鋭くなった。
嘘や誤魔化しの効かない両眼が、真理愛を離さない。
「どうして、って」
口が裂けても本当の事は言えない。
真っ直ぐな塁の双眸を、真理愛は無意識の内に避ける。
「料理、得意じゃないし」
独り暮らしを始めた大学生になってからようやく自炊を覚えたが、未だにレシピを見ながらや簡単なものしか作れない。
コンビニやスーパーの値引き総菜で夕飯を済ます日も多い。
お互いの家で過ごす休日の食事担当は、専ら彼だった。
嫌な顔一つせず、器用に美味しい料理を作ってくれる。
申し訳ないなと思いながらも、いつも甘えていた。

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