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Love triangle +1
第5章 塁
「私がスマホ拾って塁に渡したらさ」
「はい。今度はお腹が鳴りました」
観念した塁が、次なる自分の恥を告白する。
「忙しい日でお昼はコンビニのおにぎり一個だったし、残業で空腹もいいとこだったんだけど、まさかあのタイミングで大きな音が鳴るとは思わなかった」
「一瞬で塁真っ赤になっちゃって、私が手渡したばかりのスマホまた落としちゃったんだよね」
「うん。もう恥ずかしやらショックやらで、真理愛の事真面に見られなかったな」
背面から唸る塁がおかしくて、真理愛は肩を揺らす。
「『もう8時過ぎだから、イケダさんがお腹空くのも無理ないです』って真理愛が言ってきて、またまたびっくり。なんで俺の名前知ってるんだろうって」
「貸してくれた傘に書かれてたもんね?」
「高校時代から使ってる傘に、めっちゃ大きく書かれてた。もう色々恥ずかし過ぎて打ちのめされた」
そこで、ふと気付いた。
自分の事でいっぱいいっぱいだったけど、ここで自分をずっと待っていた彼女も実は同じなのではないかと。
いや、そうに決まっていた。
気の回らない自分を呪いつつ、塁は思い切って声を掛けた。
『もしも良ければ、これから一緒にご飯食べにいきませんか?傘返しに来てくれたお礼に、ご馳走させて下さい。……あ、ナンパじゃないです。怪しい者でも全然ないです。生田いけだ……、生田塁って言います!』
今夜と同じお店で二人でピザを食べた、それが初めての日だった。
「はい。今度はお腹が鳴りました」
観念した塁が、次なる自分の恥を告白する。
「忙しい日でお昼はコンビニのおにぎり一個だったし、残業で空腹もいいとこだったんだけど、まさかあのタイミングで大きな音が鳴るとは思わなかった」
「一瞬で塁真っ赤になっちゃって、私が手渡したばかりのスマホまた落としちゃったんだよね」
「うん。もう恥ずかしやらショックやらで、真理愛の事真面に見られなかったな」
背面から唸る塁がおかしくて、真理愛は肩を揺らす。
「『もう8時過ぎだから、イケダさんがお腹空くのも無理ないです』って真理愛が言ってきて、またまたびっくり。なんで俺の名前知ってるんだろうって」
「貸してくれた傘に書かれてたもんね?」
「高校時代から使ってる傘に、めっちゃ大きく書かれてた。もう色々恥ずかし過ぎて打ちのめされた」
そこで、ふと気付いた。
自分の事でいっぱいいっぱいだったけど、ここで自分をずっと待っていた彼女も実は同じなのではないかと。
いや、そうに決まっていた。
気の回らない自分を呪いつつ、塁は思い切って声を掛けた。
『もしも良ければ、これから一緒にご飯食べにいきませんか?傘返しに来てくれたお礼に、ご馳走させて下さい。……あ、ナンパじゃないです。怪しい者でも全然ないです。生田いけだ……、生田塁って言います!』
今夜と同じお店で二人でピザを食べた、それが初めての日だった。

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