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第6章 結婚宣言

「私、塁と別れるとも、レオと付き合うとも一言も言ってない」

真理愛が強調すれば、利音が渋い顔となる。

「でも連絡先マジで全部消しちゃったんだけど」
「風俗にでも行けば」
「やだよ。真理愛とするのとじゃ雲泥の差だもん。フーゾクに無駄金使うくらいなら、真理愛にもう一着ワンピース買ってあげるし」

あっさり利音は拒絶する。
兄弟揃って同じ事をと思いながら、真理愛は冷たくあしらう。

「とにかく。今更連絡先消したり、身辺整理したって無駄だから」

散々女遊びを隠しもせずにしてきたくせに、何故今になってと思う。
百歩譲って愛しているのが真実ならば、初めからしなければいいだけの話だった。
７年前の事がある以上双子の兄弟とどうこうなどとあり得ないけれど、まだ心情は幾分良かっただろう。

「ルイ君が悪いんだよ。折角俺ら３人職場も住む所もやっと近くになったのに、その途端真理愛のカレシ枠にちゃっかり収まるからさあ。……まあ、カレシでいる分はまだいいよ。今までも真理愛の歴代カレシとは、俺らも仲良くやってきたからさ」

『仲良く』がやけに意味あり気に聞こえる。
否、明らかにある意味を含んだ利音の言葉に、真理愛は込み上げるものをどうにか抑えた。