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Love triangle +1
第7章 3つのプロポーズ
「あいつが風呂から上がってきたら、新しいワンピースでも追加でねだっとけ。尻尾振って喜んで買う。今回はそれで許してやれ」
「彼氏ならまだしも、利音に洋服買ってもらう理由はない」
「彼氏は買ってくれるのか?」

揚げ足を取ってくる礼音が、実に鬱陶しい。
兄弟揃っての性格の悪さを痛感する瞬間だった。

「クリスマスもお互いの誕生日もまだ一緒に祝った事ないから、特別何かを贈り合ったりした事はない」
「特別な何かがなくても買う奴は買うけどな」

真理愛が袖を通しているロイヤルブルーのワンピースを改めて眺めながら、礼音はおかしそうに笑う。
『特別な何か』がなくても常に買い与えてくる弟、あるいは自分自身。
『特別な何か』がないと何も買ってはくれない、仮にも彼氏であるはずの男。
どちらにより比重を置いているのかは明白だった。
暗に小馬鹿にしてくる礼音に、真理愛はいよいよ気分が悪くなる。
一流企業に勤め、桁違いの給料を稼ぐ自分達と比べられてもと思う。
例え恋人同士であっても、日常茶飯事的にプレゼントをし合う人達はそう多くはないだろう。
決して珍しい事ではないのに、それをあたかも能力が低いからと言わんばかりの礼音の物言いは、真理愛を怒らせるのに十分だった。
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