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Love triangle +1
第8章 繋がらない繋がり
「ついてた……?」

恋人の発した言と、幼子のように食べ物を口につけたままだった事。
二重の気恥ずかしさに真理愛が襲われれば、彼は笑って首を縦に振る。

「真理愛って美人で色っぽくて、一見なんでも完璧に熟しそうなのに、実際はこうやってちょっと子供っぽいとこもあったりして」
──そのギャップが、もう。

一旦区切り、塁は真理愛を真正面から見詰める。

「すっごく可愛い。可愛すぎて困る」

さらりと流されればこちらもまだポーカーフェイスを装う余裕が生まれるのだが、当の本人が大照れで口にしてくるものだからそれは適わない。
真理愛の頬も、たちまち真っ赤に熟してしまう。

「俺と結婚する為に、苦手な料理を一生懸命頑張ってくれてる可愛い姿に感動してる。真理愛が努力してくれる度に、その日が少しずつ近付いてるかと思うと……心臓、バクバクしてしょうがない」

困ったように笑う塁に胸が熱くなり、それと同時にずくんと痛む。
真実であって真実でない。
偽りであって偽りじゃない。
全てを曝け出せない真理愛には、曖昧な笑顔を返す事しか出来なかった。
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