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Love triangle +1
第8章 繋がらない繋がり
今の状況を打破する為の時間を稼ぐ、咄嗟に出た口実のようなものだった。
自慢にならないが、自分の家事能力の低さは自分が一番良く知っている。
人並みに料理を作れるようになるには、相応の時間が必要だった。
いかにももっともらしい理由に彼も疑わず、我ながら一石二鳥の策だった。
だけど実際こうして完成させてみれば、思いの外苦痛を伴わない作業だと気付く。
『美味しい』と言ってくれるのが嬉しくて。
『美味しい』と食べてくれるその笑顔が嬉しくて。
ただ純粋に、頑張ってもっと料理の腕を磨いてみたいと思うようにすらなった。
努力する程、結婚までの日数は縮まってゆく。
本来ならばそれは喜ばしい事だけど、自分にとっては皮肉にも自身の首を絞めるに等しい行為だった。
先週の説得は見事失敗し、結局いつも通り双子に丸め込まれた。
翌朝もめげずに訴えてみたものの再び組み敷かれれば、もう話も儘ならない。
情けないけれど、果てない快楽に溺れて終わりだった。
彼の為に美味しい料理を作りたい気持ちとは裏腹に、説得に成功していない以上時間はいくらあっても足りない。
あまりにも悩まし過ぎる葛藤だった。
自慢にならないが、自分の家事能力の低さは自分が一番良く知っている。
人並みに料理を作れるようになるには、相応の時間が必要だった。
いかにももっともらしい理由に彼も疑わず、我ながら一石二鳥の策だった。
だけど実際こうして完成させてみれば、思いの外苦痛を伴わない作業だと気付く。
『美味しい』と言ってくれるのが嬉しくて。
『美味しい』と食べてくれるその笑顔が嬉しくて。
ただ純粋に、頑張ってもっと料理の腕を磨いてみたいと思うようにすらなった。
努力する程、結婚までの日数は縮まってゆく。
本来ならばそれは喜ばしい事だけど、自分にとっては皮肉にも自身の首を絞めるに等しい行為だった。
先週の説得は見事失敗し、結局いつも通り双子に丸め込まれた。
翌朝もめげずに訴えてみたものの再び組み敷かれれば、もう話も儘ならない。
情けないけれど、果てない快楽に溺れて終わりだった。
彼の為に美味しい料理を作りたい気持ちとは裏腹に、説得に成功していない以上時間はいくらあっても足りない。
あまりにも悩まし過ぎる葛藤だった。

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