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Love triangle +1
第2章 遡る朝
「近々別れる予定の女の機嫌を今更とってどうする」

真理愛を腕に抱く礼音は、実に素っ気ない。

「そもそもスッピンなんて一度も見た事ないな。ホテルには行ってもせいぜい休憩だけだし」
「……毎週私と泊まる暇があったら、連れて来てあげればいいのに。このホテル素敵な部屋だし、きっと喜ぶよ」

その時によりシティーホテルかファッションホテルかでは分かれたが、彼との情事に使用する部屋はそのどれもがいつも洗練された場所だった。
安ホテルに連れて行かれたり、手早く車の中で済ませられたりなんて事は、今まで一度もない。
恋人でもない自分となのにと思うのだが、値段の張る綺麗な部屋を彼は毎回用意する。
ならばと真理愛は提案したのだが、すげなく礼音に一蹴される。

「そんな暇と金あったら、お前をもっといいとこに連れてく」
「私は来たいと思ってない」
「嫌も嫌よも好きの内だな」
「どういう思考回路したらそんな考えになるの」
「もしも本当にそう思ってるなら、俺が何を言おうがお前は絶対来ないはずだ。そうじゃないって事は……つまり、そういう事だ」

含みある礼音の言い方に、真里愛の頬がかっと燃える。
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