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Love triangle +1
第2章 遡る朝
「もう動画は撮らないで。今までのデータも全部消去して」
「お前が俺の呼び出しにいつでもすぐに応じるなら、考えなくもないけどな」

何度も繰り返してきた、不可能を知っていながらの提案。
今日も首を振ってもらえないどころか、面白そうに一笑されて終わりだった。
こんな時、7年前を思い出す。
恐怖を堪え、お願いだからと呟いた。
だけど、無駄だった。

『大人しくしてたら優しくしてやる。だから声、立てるなよ?』

中断する意思は更々なく、結局彼に初めてを奪われた。
いつだって彼は自分勝手で、自分の事なんかこれっぽっちも思い遣ってくれなどしない。
それどころか、人の道に外れたような酷い事ばかりしてくる。
好きだなんて言われても、一体誰が信じるというのだろう。

「腹減らないか?」

むかむかする胃を真理愛が抑えていれば、自分を抱く男が尋ねてくる。

「とりあえず何か食っとけ。ラブホテルのルームサービスだけど、味はまあまあだろ」

調理したてのなかなか美味しい食事が注文出来るのは、幾度も訪れた事があるので知っている。
それでも、うんとは言えない。
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