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Love triangle +1
第2章 遡る朝
「いらない」
「素直じゃない事言うな。昨夜は結局食事しないまま始めたから、腹空いてないわけがない」
「そんな暇あるなら家に帰りたい」

真理愛は本音を零すが、礼音の返事はない。
代わりに包み込むように抱き直され、諭すように囁かれる。

「昼は真理愛の好きな物、なんでも食べに連れて行ってやる。朝はホテルの飯で我慢しとけ」

優しい言葉のようにも聞こえるが、真理愛の気は重い。
朝食をここでとり、昼食も彼と一緒の意味。
朝の食事が済んだら昼までの間、またしても彼の体力が続く限り抱かれる。
それを考えると、憂鬱になっても仕方なかった。

「あくまでもいらないって言うなら、強制的に食べさせるぞ」

無反応の真理愛に痺れを切らしたのか、礼音が冗談ともつかない事を言ってくる。
真理愛は慌てて口を開く。

「た、食べるわよ。食べればいいんでしょ」

昨日職場の同僚と近場のカフェにランチに行って以来、空っぽの胃は正直食べ物を欲していた。
先程からの不快感は、怒りからだけではないようだった。
昼まで続く行為は確実であり、ここで意地を張ってもいい事はない。
ただ体力を削られるだけだ。
抗った過去もあったが、彼にどんな抵抗も無駄だとすぐに悟った。
食べなければ口移しで無理にでも食べさせられるし、飲ませられる。
そんな事を久々にやられたら大変だと、不本意ながら真理愛は礼音に従う他ない。
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