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Love triangle +1
第2章 遡る朝
「あなたが誰と付き合おうが誰と寝ようが私には関係ないように、私が誰とそういう仲になろうが結婚しようが、あなたにもこれっぽっちも関係ない」

沸々と湧き起こる怒りをぶつけたのだが、彼はさして堪えてもおらず、淡々と訊いてくる。

「本気で言ってんのか、結婚とか?」
「決まってるじゃない。だからもう、こういう関係を清算したいの。動画も写真も全部消して。呼び出すのも今日で最後に欲しい。お願い」

頭を下げる義理などこれっぽっちもなかったが、下手に出てそれで彼が了承してくれるならお安い御用だった。
異性を心の底から信用出来ずに、ずっと生きてきた。
それがこの人とならと思える恋人と巡り合い、まさかのプロポーズをされた。
不安で不安で仕方がなかったけれど、勇気を出そうと思った。
この機会に全ての関係を断ち切り心機一転、彼と幸せになりたいと。

「昨日俺に抱かれてる間、頭の片隅にでもそいつはいたか?」

鋭い礼音の質問に、真理愛は怯みながらも小さく頷く。

「嘘吐け」

そんな真理愛を、礼音はばっさり切り捨てる。

「仮にも結婚しようって相手がいながら、その男に罪悪感なんか微塵も感じないで、俺とのセックスに溺れてた。自分が一番よく分かってるはずだ」

全てを見通したような礼音の両眼に、真理愛は紅潮する。
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