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Love triangle +1
第2章 遡る朝
「だって、礼音が」
「俺のせいにするなよ。欲しがってきたのはお前もだ」
「あんな風にされたら、誰だって」
「力づくで押え付けても縛ってもいない。薬盛ってる訳でもない。その気になったらいつでも逃げ出せる。俺が寝てる間に帰る事だって出来るだろ」
「だって、脅してくるし」
「本気でそう思ってるなら、警察に相談にでも行ったらどうだ?俺は一向に構わない」
「7年前酷い事したじゃない」
「すぐに警察に駆け込めば良かっただろ。同意の上じゃなかったってお前が証言したなら、俺は捕まってたかもな」

何を言ってもしれっとかわし、少しも悪びれない礼音に、真理愛はヒートアップする。

「された側にどれだけ勇気がいるか知りもしないで、簡単に言わないで。病院で体調べられて、自分の身に起こった出来事を他人に一から説明して…それが精神的にどんなに負担になるか。もうとっくに体も心もボロボロなのに、その傷をもっと抉るような事……!」

言いながら、目頭が熱くなってくる。
堪え切れない声が漏れそうになった時、体を抱いていた手が背を往復する。

「泣くなよ。お前に泣かれるのだけは堪える」
「……誰のせいだと思って」

真理愛は唸るように声を絞り出した。
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