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Love triangle +1
第2章 遡る朝
「『優しくしてやるから声立てるな』なんて、どう考えても乱暴目的の口封じじゃないの。いい加減認めたらどうなのよ」
「親が隣りの部屋で寝てたらそう言うに決まってる。初めての時痛いのは当然だし、ある程度の声が出るのは想定済みだけど、叫ばれまですると流石にマズい。万一部屋に入って来られて自分の親にセックスの現場目撃されるとか、最悪だろ」

あくまでも自分の過ちを認めようとしない礼音に、真理愛はつくづく腹が立つ。

「一番最悪なのは自分の両親が寝ているにもかかわらず、隣りの部屋に堂々と忍び込んで女子高生襲っちゃえるあなたの神経だから!」

高校2年生の夏休み。
2泊3日の夫婦水入らずの結婚記念旅行に出掛けた、両親。
初めは一人で留守を預かるつもりでいたのだが、若い女の子に何かあったら大変だと、隣家の夫婦の好意で2日間お世話になる事になった。
初日は何事もなく過ごしていたのだが、問題は2日目。
県外の大学に通っていた双子の兄弟が、実家に揃って帰省して来たのだ。
それが彼と、彼の双子の弟。
久々に顔を合わせ、和やかな夕飯を皆でとったその日の夜、事件は起こった。
『若い女の子に何かあったら大変』ーその親切心が、仇となった結果が訪れた。
どれ程苦しめてしまうだろうと、公にする事は出来なかった。
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