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Love triangle +1
第2章 遡る朝
彼の豊富な経験によるところは、勿論あった。
でももっと根本的な、所謂体の相性なるものが自分達は抜群らしかった。
誰とするよりも気持ち良く、すぐ果てそうになると困ったように言われ、初めの内は理解出来ずにいた。
だけど次第にそれは事実かもしれないと、身を以て実感するようにもなっていた。
その快楽に囚われ、お互いを貪る日々が続いてる。
彼が好きな訳じゃない。
ホテルに向かう際は未だに足が竦む。
自分から彼を誘う事は絶対にない。
彼が自分を呼び付けさえしなければ、この関係に自然と終止符を打てるのだ。
恋人に申し訳なさを感じながら、彼に抱かれに行く苦しい生活から抜け出したい。
自分を大切に想ってくれている人を裏切るような行為は、もうしたくない。
バレなければいいだなんて、思ってもいない。
結婚してからも他の男との肉体関係を持つ事は、立派な不貞行為だ。
こんな事、いつまでも続けられる訳がない。
毎回今日こそはと決意して行く。
嘘じゃない。
なのにどうして一旦始まってしまえば、朝まで彼から離れられなくなってしまうのだろう──。
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