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Love triangle +1
第3章 利音
「歯磨き粉の味がする。ちょうど歯磨き終わった後?ならちょうど良かったな」

にっこり笑う利音に何かを言う間もなく、耳朶に寄った彼がそこを軽く食み、舌を這わせてきた。

「昨夜は来られなくてごめんね。どうしても外せない会社の飲み会でさ」

悪戯を仕掛けながら、利音は耳元で謝罪する。

「俺がいなくて淋しかった?」
「う……ん、っ」
「礼音に苛められなかった?あいつドSだからな。酷い事されたんじゃない?」

心配そうに、利音は問い掛ける。

「危険人物扱いするな。最高に優しくしたに決まってるだろ」
「どうだか」

二人のやり取りを見ていた礼音が苦虫を噛み潰したようになるが、利音は実に素っ気ない。
日頃の行いが決して良いとは言えない兄を、弟は完全に信用していないようだった。
既に力の入らなくなった真理愛をベッドまで支えながら、利音は礼音を横目で軽く睨む。

「礼音と違って俺はいつでも優しいからね」

寝台の上に組み敷いた真理愛の服に迷わず手をかけながら、利音は言い聞かせるように囁く。
ホテルの部屋に置かれていたルームウェアは、ボタンを二つ外せば簡単に着脱が可能な作りになっていた。
左右に開けば、たちまち真理愛の裸体が利音の目前に晒された。
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