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Love triangle +1
第4章 背徳の戯れ
「すぐに取り分けてやるから、それ食って待ってろ」

礼音に無言の目配せをされる。
慌てて左隣りを横目で窺えば、利音は上タン塩を最適な焼き加減にする事に命を懸けている。
知られたら勝手に食べさせただのと、また子供のような言い争いが始まってしまう。
指でそっと入れられたミニトマトを今の内にと噛み締めれば、酸味はほぼなく甘さが口に広がってゆく。
やがて礼音が、取り皿に目一杯盛られたシーザーサラダを手渡ししてくる。
正直ちょっと多過ぎではないかと思ったが、頼んだ手前指摘はし辛い。
どうにか食べるしかないと、真理愛は腹を括る。

「他に食いたい物ないか?追加で注文してやる」
「まだ食べてないのいっぱいあるから、大丈夫」

まずはサラダを片付けようと向き合った直後の申し出。
真理愛が申し出を辞退すれば、そうかと小さく笑って礼音は前に向き直った。
個室の座敷。
六人用のテーブルの上には、肉や野菜の皿が所狭しと並んでいた。
結局、昼までひたすら双子の相手を交互にさせられた。
女一人で二人の相手をするのは、相応の体力を消耗する。
共に精力底なしで、しかも昨夜も散々いいようにされた後だ。
終わった頃にはへとへとで、最早スマートフォンで店を調べる気力も残っていなかった。
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