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花狂い
第4章 彩香
腕のレントゲンを見た医者は
腕に負担掛けなければ少しなら
職場に復帰しても良いが 重い物等は
絶対に持たない様にと 念を押され
翌週から店にと戻った ギブスで店内を歩く事は憚れるので
事務処理と顔を合わせて居なかった
従業員への挨拶に溜まり
事務所で書類の整理を始め
ギブスのまま紳士服売り場へ向かった
紳士服売り場の前で 阿佐ヶ谷が 目をしかめ 腕を見て
阿佐ヶ谷と本店での昔話をしていると
阿佐ヶ谷が高島さんと改まった
口調で生地を指し
「イタリア製と言って、久保山さんが仕入れて来た物なんですが 」
「 酷い代物ですよ・・・」
「 確かにイタリア製ですが 中身余り良い品では無いですね 」
「 これを使って売れと言われましたが 私としては・・・」
と顔をしかめ
聞くと久保山は 仕入れへの権限を握っているような話をした
山辺の処にも 有名な画家の版画を置けと
何枚かの版画を持ち込んで
山辺が 怒っていると話してきた