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花狂い
第7章 遥

「私、子供の頃から絵を描いていたの・・・」

「楽しい時も 悲しい時も 毎日描いていたの・・・」

「高校に入って 二年の時 仲良かった娘と一寸した事で
 行違って その娘が皆で私を苛めて
 クラスの半分位が 一緒に成って苛めらて・・・」
 
「 恵が 何時もかばってくれて その時 一度
 学校に 二週間ぐらい行けなくて 」

「部屋でユーチューブ見て 外国の人が流し絵してるの見て綺麗と
 思って初めたんです 」

「キャンパスに向かって買って来た アクリル絵の具達が 
 私に使って呉れと 騒ぐのを宥めながら順番に流して
 いたのが始まりで 」

「 それから 毎日アクリル達と話して作って
 カメラをセットすると あの子たち騒ぐの 煩い位」
 
「順番に 溶いて流して 私はあの子達の言葉を聞いて
 作っていたんです 」

「展示会から帰って 部屋に入ったら凄く静かで 」

「次の日 カメラセットして 何時もの様に
 アクリルを並べたら 話してくれなくて・・」
 
「帰ってから 一枚も描いていないんです・・・・」
高島に涙を浮かべた目で話し 

二人追加で 2杯を飲むと やや足元をおぼつかせ
部屋へ戻った 部屋に入り 高島は1枚の絵を取り上げ
濃い青 いや紺に近い色を ベースに
黄色が広がり 赤い筋の絵に 目が釘付けと成った

「それ駄目失敗作 恵と飲んだ時帰って描いた奴その絵は
 ナンバー入ってないの 」
遥は高島から取り上げようとした 

「居酒屋で ご馳走したから これ欲しい」
高島が言うと

「これ、破こうと思った作品だから 嫌!!」
遥が頑なに断って来た 

高島は 自分の部屋に飾りたいと 
何度も頼み込み 受け取った
キャンパスの横に置いている
アクリル絵の具を 遥は取り上げ 見つめながら

「もう描けないのかな・・・」と寂しそうに呟いた
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