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花狂い
第12章 光代
5階

山辺と、絵の展示を相談し 検討している時
道畑夫人がエスカレーターで 上がって来るのが見えた、
何時もなら久保山が付き従って居るはずが
一人上がって来る

高島は6階に向かう 道畑夫人に声を掛け
6階へと向かった、6階で加藤が道畑夫人を見るが
頭を下げ売り場に 足早に去って行った

高島は7階のVIPルームに道畑夫人を案内して
夫人が入口で躊躇して

・・・今日は このカードお返しに来たの・・
バッグからVIP専用に発行されたカードを出した

高島は売り場に居る 女子従業員に 
道畑夫人の好きな紅茶を出すよう指示して
夫人を部屋へと案内した、

席に座り出された紅茶を飲みながら 夫人は溜息を付き、

・・・美味しい お紅茶よね もう飲めないと思ってた・・・

・・・有難う高島さん、・・・

紅茶を口にして
1階で久保山に逢い カードを返しに来たと伝えると
7階に持って行って 高島に渡せと 言われたと、
諦めの籠った声で 言った 

夫人が話し始めた
長男が仕事を引き継ぎ 新しい事業を打ち出して
多額の金が騙し取られ
会社に古くから 働いていた従業員が辞めて行き、
気が付いた時は遅く 会社は 
古い従業員が ライバル会社に身を寄せていた為
事業は引き継いでくれ 存続出来たが
多額の借金が残され 持っていた資産を売却して
僅かだが資産は残り 長男は事件の後行方は判らない、

そんな時 次男から連絡が有り住む処は有るから来いと
言われ そちらに行く事にしたと、話が終わると 
部屋を見回して

・・・ここに来るの 楽しかったわ・・・

懐かしそうに見回して カードをテーブルに置き席を立った
高島は夫人と 1階まで同伴して 入口を出て
夫人が タクシーに乗るまで高島は頭を下げていた、

頭を下げ続ける 高島を見る 人物がいることを
高島は知らなかった
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