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千一夜
第54章 第七夜 最終章 真空のゆらぎ
「竹内さん、明日はお休みですよね?」
「ええ、そうですが」
「実は竹内さんにお願いしたいことがあるんです」
「何でしょうか?」
「少し言いにくいのですが、いいですか?」
「私に遠慮なんて必要ありません。市長、何でもおっしゃってください」
「実は明日、行きたいところがあるんです」
「どちらですか?」
「京都です」
「京都」
小さな声だったが、竹内が驚くのが私にはわかった。
「だめですか?」
「いえいえそんなことはありません。京都は公務で行かれるのですか?」
「いいえ、私用です」
「市長、街を離れても構わないのですか?」
「海外に行くわけではありません。それに明日の京都は日帰りです」
「日帰り?」
「はい」
「承知いたしました」
「竹内さん、ここから京都までどのくらいかかりますか?」
「うん~ん」
ナビで調べるまでもない。日本の道を知り尽くしている竹内は、記憶の中から京都を探し出して計算を始めている。
「午後の二時くらいには京都に着きたいのですが」
「この街から京都駅まで高速を使って五時間というところでしょうか。年末ですがまだ帰省や旅行の車は多くないはずです。天気も荒れる様子がないので大雪の心配はないでしょう。たとえ雪が降ったとしても、この車はすでに冬用のスタッドレスタイヤを履いています」
「竹内さん、明日の朝六時に出発することは可能ですか?」
「構いませんよ。でも六時に出発すると、京都には午後の二時より早く到着することになりますが」
「ならば六時出発でお願いします」
私には早くこの街を出たい理由がある。
「市長、一つお訊ねしてもよろしいでしょうか?」
「はい」
「お嬢様は市長とご一緒でしょうか?」
京都に行くことは咲子には知られたくない。私は一人で江村都子と会うつもりでいる。
「いえ、私一人です」
「承知いたしました」
「竹内さん」
「はい」
「私が京都に行くことは咲子には黙っててほしいのです」
「はい」
「信じてほしいのですが、私に後ろめたいことはありません。ただ、咲子にはこの街にいてほしい、それだけなんです」
「承知いたしました」
「竹内さんの休日を台無しにして本当に申し訳ないです」
「市長、私の休日は台無しにはなっていません。それより市長、京都はこちらより寒いのでお気をつけください」
「ありがとうございます」
「ええ、そうですが」
「実は竹内さんにお願いしたいことがあるんです」
「何でしょうか?」
「少し言いにくいのですが、いいですか?」
「私に遠慮なんて必要ありません。市長、何でもおっしゃってください」
「実は明日、行きたいところがあるんです」
「どちらですか?」
「京都です」
「京都」
小さな声だったが、竹内が驚くのが私にはわかった。
「だめですか?」
「いえいえそんなことはありません。京都は公務で行かれるのですか?」
「いいえ、私用です」
「市長、街を離れても構わないのですか?」
「海外に行くわけではありません。それに明日の京都は日帰りです」
「日帰り?」
「はい」
「承知いたしました」
「竹内さん、ここから京都までどのくらいかかりますか?」
「うん~ん」
ナビで調べるまでもない。日本の道を知り尽くしている竹内は、記憶の中から京都を探し出して計算を始めている。
「午後の二時くらいには京都に着きたいのですが」
「この街から京都駅まで高速を使って五時間というところでしょうか。年末ですがまだ帰省や旅行の車は多くないはずです。天気も荒れる様子がないので大雪の心配はないでしょう。たとえ雪が降ったとしても、この車はすでに冬用のスタッドレスタイヤを履いています」
「竹内さん、明日の朝六時に出発することは可能ですか?」
「構いませんよ。でも六時に出発すると、京都には午後の二時より早く到着することになりますが」
「ならば六時出発でお願いします」
私には早くこの街を出たい理由がある。
「市長、一つお訊ねしてもよろしいでしょうか?」
「はい」
「お嬢様は市長とご一緒でしょうか?」
京都に行くことは咲子には知られたくない。私は一人で江村都子と会うつもりでいる。
「いえ、私一人です」
「承知いたしました」
「竹内さん」
「はい」
「私が京都に行くことは咲子には黙っててほしいのです」
「はい」
「信じてほしいのですが、私に後ろめたいことはありません。ただ、咲子にはこの街にいてほしい、それだけなんです」
「承知いたしました」
「竹内さんの休日を台無しにして本当に申し訳ないです」
「市長、私の休日は台無しにはなっていません。それより市長、京都はこちらより寒いのでお気をつけください」
「ありがとうございます」

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