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千一夜
第62章 第八夜 island 満月の夜
秘密基地に虫取り、島の川(大きな川ではない)での魚とり、そしてビニールプールで水遊び(コバルトブルーの海だが、危険生物が生息している可能性があるので海では泳ぐことができない)。三人は思う存分(というより真剣にと言った方がいいかもしれない)遊んだ。
不思議な天気だった。朝起きて、向かいの島の方を見ると、島の上空はいつも厚い雲に覆われていた。ところが少しだけ離れた私たちの島の上空には雲は全くなかった。
雨が降ったのは初日だけで、あとはずっと晴天が続いた。
その天気を予想した人がいる。それは宿のおじいさんだ。私が毎朝空を見上げるとおじさんは私にこう言った。
「奥様、心配ないですよ。雨は落ちてきません。今日も晴れ」
そして河田と子供たちに、おじいさんは毎朝こう言って見送る。
「旦那様も坊やたちも思い切り遊んでらっしゃい」
「バイバーイ」
良輔と良幸がそう言ってお爺さんに手を振る。
島に来るまでは、気が重かったが、こうやって島で過ごしていくと島の生活に慣れてくる。多分私たち四人は来年もまたこの島に来るだろう。慣れてしまえばこの島で暮らすのも悪くない。
島を離れる前日の夕食のときだった。
「パパはこの島を買うことにした」
「はっ?」
河田の突然の宣言に私はびっくりした。
「そう、僕はこの島を買う」
「じゃあ、ここはパパの島になるの?」
良輔がそう訊ねた。
「良輔、ちょっと黙ってて。あなた、この島を買うことなんてできるの?」
「お金ならあるさ」
「お金のことじゃないわ。この島は無人島じゃないのよ。あなたがこの島を買ったら、島の人たちはどうなるの?」
私が知っている島の人間は、宿のおじいさんとおばあさんの二人だけだ。
「出て行ってくれなんて僕は言わない。ずっとこの島に住んでもらうよ」
「そんなことが許されるの?」
「問題はないよ。僕が島の所有者になるだけだ。まぁ、毎年税金を県に納めることになるけどね」
島をいくらで買うのかは知らない。ただ一つだけ言えるのは、河田には余裕でこの島を買うだけの資産がある。
「もしかしたらこの島にヘリポートを作ろうとか考えていない?」
「さすが麗子だ」
「じゃあ、来年はヘリコプターでこの島に来るの?」
「良輔、その通りだ。良幸も楽しみにしておけよ」
河田が会社を辞めたら、夏の半分はこの島で暮らすことになりそうだ。
不思議な天気だった。朝起きて、向かいの島の方を見ると、島の上空はいつも厚い雲に覆われていた。ところが少しだけ離れた私たちの島の上空には雲は全くなかった。
雨が降ったのは初日だけで、あとはずっと晴天が続いた。
その天気を予想した人がいる。それは宿のおじいさんだ。私が毎朝空を見上げるとおじさんは私にこう言った。
「奥様、心配ないですよ。雨は落ちてきません。今日も晴れ」
そして河田と子供たちに、おじいさんは毎朝こう言って見送る。
「旦那様も坊やたちも思い切り遊んでらっしゃい」
「バイバーイ」
良輔と良幸がそう言ってお爺さんに手を振る。
島に来るまでは、気が重かったが、こうやって島で過ごしていくと島の生活に慣れてくる。多分私たち四人は来年もまたこの島に来るだろう。慣れてしまえばこの島で暮らすのも悪くない。
島を離れる前日の夕食のときだった。
「パパはこの島を買うことにした」
「はっ?」
河田の突然の宣言に私はびっくりした。
「そう、僕はこの島を買う」
「じゃあ、ここはパパの島になるの?」
良輔がそう訊ねた。
「良輔、ちょっと黙ってて。あなた、この島を買うことなんてできるの?」
「お金ならあるさ」
「お金のことじゃないわ。この島は無人島じゃないのよ。あなたがこの島を買ったら、島の人たちはどうなるの?」
私が知っている島の人間は、宿のおじいさんとおばあさんの二人だけだ。
「出て行ってくれなんて僕は言わない。ずっとこの島に住んでもらうよ」
「そんなことが許されるの?」
「問題はないよ。僕が島の所有者になるだけだ。まぁ、毎年税金を県に納めることになるけどね」
島をいくらで買うのかは知らない。ただ一つだけ言えるのは、河田には余裕でこの島を買うだけの資産がある。
「もしかしたらこの島にヘリポートを作ろうとか考えていない?」
「さすが麗子だ」
「じゃあ、来年はヘリコプターでこの島に来るの?」
「良輔、その通りだ。良幸も楽しみにしておけよ」
河田が会社を辞めたら、夏の半分はこの島で暮らすことになりそうだ。

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