この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
千一夜
第62章 第八夜 island 満月の夜
 痕跡を消すために熱いシャワーを浴びる。今日は一人、河田は布団の中で休んでいるはずだ。
 脱衣所で体を拭き、下着を身に着けパジャマを着る。
 私はそのとき知らなかった。まだ満月の夜が続いていて、不思議な出来事が私を待っていることを。
 部屋に入ると、予想通り、河田はタオルケットを体に掛けて眠っていた。私も河田の隣で休む。横になって目を瞑ると、私は一気に深い眠りの中にすとんと落ちた。
 目が覚めれば朝になっている……。
 横浜でもこの島でも、私は一度寝ると朝まで目を覚ますことはほとんどない(少なくとも島では一度もない)。ところが満月の夜のせいでそうなったのか、私は深夜目を覚ましたのだ。
 そのとき私は朝だと思った。だが、朝にしては部屋の中が暗い。私は隣に寝ているはずの河田に目を向けた。そこに河田はいなかった。トイレにでも行っているのだろうか、私は少し不安になった。
 私は起き上がり、二階の窓のカーテンを開け、外を見た。辺りは真っ暗なのだが、何かが変だ。私は階段を下りてトイレに向かった。トイレのドアをノックする。返事がない。私はもう一度ノックをしてからドアを開けた。中に河田はいなかった。
 河田はこの宿にはいない。それは私の直感だった。ということは河田は外に出かけている。
 河田はどこに行ったのだろうか。不安は私の心をだんだん重くしていった。河田を探しに行こう。いや、その前にしなければならないことがある。それは今子供たちがどうしているかを確かめることだ。二人の子供は部屋の二段ベッドで休んでいるだろうか。私は急いで子供たちの部屋に行った。ほっとした。良輔も良幸も寝ていた。私は良輔と良幸のほっぺたにキスをした。
 着替える必要はない。この島には私たち家族四人と宿のおじいさんとおばあさんしかない。素足でスニーカーを履くことに躊躇いがあった。私はビーチサンダルを履いて外に出た。
 空を見上げると大きな真ん丸の月が私を迎えてくれた。それだけではない、見たことがない数の星がキラキラ輝いていたのだ。お陰で懐中電灯は必要ない。街灯がなくても躓くことなく前に進むことが出来る。
 幸いなことにこの島には人を襲うような獣はいない。毒を持った蛇はこの島には生息していないし、河田や子供たちから蛇を見たという報告はない。
 この島は安全だ。私はそう自分に言い聞かせて歩き出した。
/838ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ