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千一夜
第63章 第九夜 隣人たちとの狂宴
「もういいや。萩原君、君を試すようなことをして悪かったね。君は完璧だ。僕も長い間教壇に立っているが、君みたいなバケモノは初めてだよ」
「バケモノ?」
「あっ、御免ね。別に悪い意味で言ったわけじゃない。恐ろしいくらい君は凄い、そう言う意味だ。言葉が足らなかったことは許してくれ」
「……」
「一つ訊いていいかな?」
「何でしょう」
「君がこれから四年間学ぼうとしているこの大学は、君の第一志望だったのかい?」
「いいえ」
「本当に行きたかった大学は?」
「京都大学です」
僕は正直にそう言った。
「なるほど、京大か……。なのにどうしてこの大学を選んだんだい?」
「……」
家庭の事情で、と言いたかったが、僕は敢えて沈黙を選んだ。
「まぁ、君にもいろいろな事情があったんだろう。変なことを君に訊ねてしまったよ。悪かった」
「いいえ」
「君にお願いがあるんだが、きいてくれるかな?」
「何でしょう」
「僕のゼミに出て欲しい。君に試験なんて必要ない。君みたいな優秀な人間をこのまま他のゼミに取られたくないからね。君が僕のゼミに来てくれれば他のゼミ生も刺激を受ける。一年生だけど出てくれないか?」
「今ここで答えなくてはいけませんか?」
「いやいや、君にも考える時間が必要だ。じっくり考えて結論を聞かせて欲しい。いい知らせだといいんだけどな」
「わかりました」
「今日はありがとう。あっ、そうだ、勉強のことや何か困ったことがあったらここに来なさい。君ならいつでも歓迎する」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
僕は立ち上がって清水と上野に頭を下げた。
友好的な清水とは違って、上野は終始冷たく僕を見ていた。
「あっ……あのお願いがあるんですが」
ドアの前で僕は清水の方に振り返った。
「何だね?」
「今アルバイトを探しているんですが、何か良いところあるでしょうか?」
「英語を使ってということだよね?」
「はい」
「うん~ん……、そうだ、君、全国通訳案内士の資格を持っているかい?」
「持っています」
「三冠王じゃ足らなかったな。よし、萩原君なら自信をもって推薦できる。いくつかあたってみるから、三日時間をくれないか?」
「よろしくお願いします」
「ゼミのこと、考えておいてくれ、頼んだよ」
「はい」
「バケモノ?」
「あっ、御免ね。別に悪い意味で言ったわけじゃない。恐ろしいくらい君は凄い、そう言う意味だ。言葉が足らなかったことは許してくれ」
「……」
「一つ訊いていいかな?」
「何でしょう」
「君がこれから四年間学ぼうとしているこの大学は、君の第一志望だったのかい?」
「いいえ」
「本当に行きたかった大学は?」
「京都大学です」
僕は正直にそう言った。
「なるほど、京大か……。なのにどうしてこの大学を選んだんだい?」
「……」
家庭の事情で、と言いたかったが、僕は敢えて沈黙を選んだ。
「まぁ、君にもいろいろな事情があったんだろう。変なことを君に訊ねてしまったよ。悪かった」
「いいえ」
「君にお願いがあるんだが、きいてくれるかな?」
「何でしょう」
「僕のゼミに出て欲しい。君に試験なんて必要ない。君みたいな優秀な人間をこのまま他のゼミに取られたくないからね。君が僕のゼミに来てくれれば他のゼミ生も刺激を受ける。一年生だけど出てくれないか?」
「今ここで答えなくてはいけませんか?」
「いやいや、君にも考える時間が必要だ。じっくり考えて結論を聞かせて欲しい。いい知らせだといいんだけどな」
「わかりました」
「今日はありがとう。あっ、そうだ、勉強のことや何か困ったことがあったらここに来なさい。君ならいつでも歓迎する」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
僕は立ち上がって清水と上野に頭を下げた。
友好的な清水とは違って、上野は終始冷たく僕を見ていた。
「あっ……あのお願いがあるんですが」
ドアの前で僕は清水の方に振り返った。
「何だね?」
「今アルバイトを探しているんですが、何か良いところあるでしょうか?」
「英語を使ってということだよね?」
「はい」
「うん~ん……、そうだ、君、全国通訳案内士の資格を持っているかい?」
「持っています」
「三冠王じゃ足らなかったな。よし、萩原君なら自信をもって推薦できる。いくつかあたってみるから、三日時間をくれないか?」
「よろしくお願いします」
「ゼミのこと、考えておいてくれ、頼んだよ」
「はい」

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