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千一夜
第63章 第九夜 隣人たちとの狂宴
清水に「三日時間をくれ」と言われたが、僕が清水から連絡を受けたのは翌日だった。紹介されたアルバイト先は、予備校の講師と某旅行会社専属の通訳。
清水にどれだけの力があるのかわからないが、予備校も旅行会社も、面接に行った日に僕は採用された。
ほっとした。これで家からの援助がなくても、何とか自立していやっていける。ようやく広島での学生生活が始まる。
そして僕は清水のゼミに参加することを決めた。ただ、三年生四年生と比べて授業のコマ数が圧倒的に多いので、一年生の僕がゼミに参加するのは週に一日だけにしてもらった。
有難いことに、五月の連休が終わった頃、予備校からあと二コマ授業を引き受けてもらえないだろうかと依頼された。それから月に二度の外国人観光客の案内も四回に増えた。
そのために自分の時間が削られることになったが、僕はそれをプラスに捉えた。
将来僕は英語の教師になるつもりだ。学校と予備校は違うが、教える内容は変わらない。教師になるための試練だと思えばいいだけのことだ(幸いなことに僕の授業の評判も悪くないらしい)。
それに英語がネイティブの外国人との会話は、それ自体が僕の学びの場になった。僕は学びながら給与を得ることが出来るのだ。こんなに幸せな仕事は他にない。
清水から紹介された仕事で、僕は大学院に進む資金を貯えることができた。自分で言うのも何だが、成績も悪くなかった。成績表には秀が並んだ。僕のGPAは4.0(信じてもらえないかもしれないが)。大学は首席が誰なのかは発表しない。だが教育学部で僕の成績より上の学生はいないはずだ。
大学からは推薦入試を進められたが、僕は敢えて一般入試で京都大学大学院にチャレンジした(合格できる自信が僕にはあった)。結果は合格。僕はようやく京都大学で学ぶことが出来る。
合格の通知を持って僕は松山の実家に帰った。
「来年から京都大学の大学院で勉強します」
一人を除いて家族の者全員が僕の大学院合格を祝ってくれた。
能面のような顔をした兄嫁が口角を少し上げて僕にこう言った。
「健次さん、健次さんにお貸ししたお金はいつ返してもらえるんでしょうか?」
「義姉さん、迷惑かけてすみません。お借りしたお金は来年全額お返しします」
全額返す当てなど僕にはなかったが、売り言葉に買い言葉、僕は思わず全額返すと言ってしまった。
清水にどれだけの力があるのかわからないが、予備校も旅行会社も、面接に行った日に僕は採用された。
ほっとした。これで家からの援助がなくても、何とか自立していやっていける。ようやく広島での学生生活が始まる。
そして僕は清水のゼミに参加することを決めた。ただ、三年生四年生と比べて授業のコマ数が圧倒的に多いので、一年生の僕がゼミに参加するのは週に一日だけにしてもらった。
有難いことに、五月の連休が終わった頃、予備校からあと二コマ授業を引き受けてもらえないだろうかと依頼された。それから月に二度の外国人観光客の案内も四回に増えた。
そのために自分の時間が削られることになったが、僕はそれをプラスに捉えた。
将来僕は英語の教師になるつもりだ。学校と予備校は違うが、教える内容は変わらない。教師になるための試練だと思えばいいだけのことだ(幸いなことに僕の授業の評判も悪くないらしい)。
それに英語がネイティブの外国人との会話は、それ自体が僕の学びの場になった。僕は学びながら給与を得ることが出来るのだ。こんなに幸せな仕事は他にない。
清水から紹介された仕事で、僕は大学院に進む資金を貯えることができた。自分で言うのも何だが、成績も悪くなかった。成績表には秀が並んだ。僕のGPAは4.0(信じてもらえないかもしれないが)。大学は首席が誰なのかは発表しない。だが教育学部で僕の成績より上の学生はいないはずだ。
大学からは推薦入試を進められたが、僕は敢えて一般入試で京都大学大学院にチャレンジした(合格できる自信が僕にはあった)。結果は合格。僕はようやく京都大学で学ぶことが出来る。
合格の通知を持って僕は松山の実家に帰った。
「来年から京都大学の大学院で勉強します」
一人を除いて家族の者全員が僕の大学院合格を祝ってくれた。
能面のような顔をした兄嫁が口角を少し上げて僕にこう言った。
「健次さん、健次さんにお貸ししたお金はいつ返してもらえるんでしょうか?」
「義姉さん、迷惑かけてすみません。お借りしたお金は来年全額お返しします」
全額返す当てなど僕にはなかったが、売り言葉に買い言葉、僕は思わず全額返すと言ってしまった。

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