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ブルマー狩りの季節
第6章 柿谷早苗のブルマー【遊戯・一】
世の中には、“オマ×コ”“チ×ポ”等々の猥褻な言葉を、女性に口にさせて喜ぶ男性が、確実に存在する。

でも、“ブルマー”と口にする女性を見て喜ぶ男性が、私以外に存在するのかどうかは、私は知らない。

何にせよ、私はそうだった。

私は何かしらの機会に、女子が“ブルマー”を発声しているのを耳にした時、たったそれだけで――ペニスを勃起させるに足る――十分な興奮を得た。

ブルマー――それは私にとって、“オマ×コ”“チ×ポ”等々と匹敵する、卑猥な言葉だった。

◇◇◇◇◇

そういった訳で、『変更後のルール』は、早苗が“オマ×コ”や“チ×ポ”と口にするのを拒んだ挙げ句として、私が咄嗟に思い付いたものでは、決してない。

そもそも私にしてみれば、ルール変更前の“遊戯”に素直に応じる早苗を期待していた訳ではなかった。

私は最初から変更後の“遊戯”に、早苗と興じるつもりだった。

◇◇◇◇◇

尤も早苗はといえば、ルール変更後の“遊戯”も、拒んだ。

なおも引き攣った顔を、深く俯かせたまま、早苗は私に訴えた。

「イヤですっ……言いたくないっ」

そう駄々を捏(こ)ねる早苗を、私は穏やかに諭した。

「どうして嫌なんだ……?“ブラジャー”も“パンティ”も“ブルマー”も、別に恥ずかしい言葉じゃないだろう……?」

それに対して早苗は、明瞭な反論は出来ないようだったが、拒絶の意思は示し続けた。

「でも、イヤですっ……絶対にイヤっ、イヤっ、イヤっ……」

しかし私はそれ以上、早苗に譲歩するつもりはなかった。

そこで私は早苗を従順にさせる、“伝家の宝刀”とでも言うべき台詞を、早苗の耳元で囁いた。

「早苗……クラスメイトのブルマーの写真が、エッチな本に載っても、いいのかい……?」

それを聞いた途端、繰り返していた早苗の『イヤ』が途絶えた。

そうして生まれた沈黙を、『変更後のルール』に対する早苗の了承と、私は解釈した。
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