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背徳のキス
第3章 2話目
「........ったく、面倒臭いのぉ......」
だがラハブはその光景に全く動じず、やれやれと言わんばかりの溜息を一つ溢すと、大口を開けて周辺の海水約110,000m³を口腔内に溜め込んだ。
110,000m³の水量とは、かの有名なナイヤガラの滝を流れる平均毎分水量と同等の量だ。そんな途方もない海水量と共に、逃げ遅れた魔海の小魚達も彼のバカでかい口の中へと巻き込まれていく。
そして一気にご乱心レヴァイアタンへと距離を詰めると、彼の顔面へ瀑布の如くぶっ掛けたのだった。
流石のレヴァイアタンでも、その海水量と失神した気の毒な小魚の大群を顔面に浴びて、何らかのダメージと急激な冷えを感じたらしい。ブルっと身震いをすると、勢い良く炎を吐き出していた口を徐に閉じていく。加えて虚無で満ちていた金の瞳に、生気を取り戻していった。どうやら最悪の心神喪失状態から少し回復したようである。