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背徳のキス
第5章 4話目



※レヴァイアタン視点


「.....事情は分かりましたが、今更人魚の常識を頭に叩き込んだ所で最早手遅れなのでは?」


呆れ返ったベローネの正論が魔海の憩いの場、アクアリウム同好会室内に響き渡る。
隣では頭を抱えながらも、ベローネから教えてもらった人魚の常識及び掟をお経のように復唱しているレヴァイアタンの姿があった。


「人魚は少食で、宮殿に住み、外見及び美声至上主義、非魔法族。絶滅危惧種の為、子孫繁栄を重視する一族。外見主義批判と異種族恋愛及び婚姻、同族殺しは基本タブー.....。ん?子孫繁栄を重視?なら配偶者や恋人を同族に特定するのは矛盾していないか?結局は容姿重視だろう。そりゃあ絶滅寸前にもなるよ。君もそう思わない?」


ベローネの発言を無視して、掟を頭に叩き込ませていたレヴァイアタンだったが、ふと疑問に思ってベローネへと尋ねた。


「そうですね。要は結婚・出産を義務化してマーメイドは美形のみを産めよって事を尤もらしく言いたいだけのルールなのかと。」


「....何だか人魚の生態を知れば知るほど嫌になってきたな。」


「美しさが全てだと思い込んどる種族なんじゃろう。哀れな事じゃ。....してお主、これからどうするつもりじゃ?ベローネの言う通り、人魚の掟を暗記するよりも考えるべき事が先にあるじゃろう?」


ベローネとレヴァイアタンの会話に、側で熱帯魚観察をしていたラハブが口を挟んだ。


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