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2000文字の官能空間にようこそ
第26章 魔物が棲む公園
 公園に棲む魔物は黒い服を着ていた。あるいはそれは私の見間違えで黒っぽい服だったのかもしれない。魔物は私を見るといつも薄っすら笑っていた。あるいはそれは私の錯覚で薄っすら笑っていたように見えたのかもしれない。
 魔物が棲む公園は綺麗な長方形の形をしていて、その四角の中にはブランコや鉄棒、ジャングルジムにシーソー、そして滑り台があった。
 ただ、どういうわけかその公園では誰も遊ばない。もう誰もブランコなんか必要ないし、シーソーには乗らないのだろう。
 そうそう、私が話さなければならないのは誰もいない公園のことではなくて、魔物が棲む公園のことだ。
 魔物は私を見るといつも手招きをする。これは見間違えでも錯覚でもない。魔物は確かに手招きをしたのだ。そして私は魔物のところに行く。無視することだってできたはずだ。でも……でも私は魔物のところに行った。
 魔物は公園の小さなトイレに棲んでいて、私がトイレに入ると鍵を掛ける。トイレの中には私と魔物の二人だけ。トイレの中に二人だけってなんだかおかしい。普通トイレの中は一人だけのはずだ。でも公園のトイレには私と魔物の二人なのだ。
 魔物は私の頭に手を置いて、私の頭を優しくなでてくれる。トイレの中の魔物はいつも優しい。怒らないし怒鳴ったりしない。そもそも魔物は話さないのだ。
 私は一度も魔物と言葉を交わしたことがない。だから魔物はジェスチャーをする。トイレに入る。私の頭を撫でる。魔物はジェスチャーで私に服を脱ぐように命じる。私は服を脱いでパンツ一枚だけになる。
 私は魔物の顔を思い出せない。目と鼻と口があって、それから魔物はブツブツの髭を生やしていたような気がする。魔物が若いのか、それとも歳をとったおじいさんなのかもわからない。でも魔物は私の胸の見てにやりと笑う。私の干しブドウくらいの乳首が食べたいのか、魔物の口から蛇みたいに舌がチョロチョロ出る。私は乳首を食べられたくない。
 でも魔物は口から出した舌の先で私の乳首をツンツンと突く。私はほっとする。でも何だか変な気持ちになる。くすぐったいけど変な気持ち。
 そして私の乳首が魔物の口の中に含まれる。何だかとても温かい。そう思っていると魔物は私の乳首を口に含んで強く吸う。チューチューという音も聞こえる。
 何だか変な気持ちはずっと続いている。するともう一つの乳首が魔物の指で弄られ始める。
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