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”She”
第2章 恋の成就。梨花さんとのセックス。
梨花さんは無事、フロントチーフの資格を取って研修から戻ってきた。

祝福に集まった他のアルバイトのメンツにまぎれて僕は言った。
「梨花さん、おめでとう」

梨花さんは騒ぐメンバーの中にいながら、僕だけをまっすぐに見つめて微笑み返した。

きれいな目で見あげられるうち、僕がしていたことが見透かされていそうで怖くなって背中を向けた。

大きなペーパーフィルターを取り出し、コーヒーサーバーの豆の交換作業にとりかかる。

僕がそっけない態度なのを梨花さんはすぐに察知した。
食事が終わった客席の皿を下げて戻ると、洗い物を整理している僕の隣に立ち、トレーを拭きながら言った。

「文哉君、なにかあった?」

僕を見上げたその目には、怒りとか、悲しみとか、叱責とかじゃなくて、不安が浮かんでいる。

「大丈夫だよ、なにもない」

誰も近くにいないことを確認してため口で応えた。
頬が赤くなってしまう。

「私がいない間に彼女でもできた?」
梨花さんが笑って肘で突いて来る。

「だれかな。新人のあの子かな」
フロアで水のお替りに回っている女子大生のアルバイトを顎でさした。
「それとも・・」
梨花さんは赤い顔の僕をからかうようにしゃべり続けた。

「ちがうよ」
思わず声が大きくなった。

厨房のメンバーから視線が集まったのを感じた。
僕は慌てて、
「31番テーブルのデザートはアフターですよ、忘れないで下さいよ梨花さん」
と言ってごまかした。

「あはは、ごめんごめん」

梨花さんは肩をすくめて客席に出て行ってしまった。

きまずい。
僕の浮気心は梨花さんに完全に見透かされている。
僕としてはこれは由々しき事態だ。
だけど梨花さんにとっては大したことではないらしい。

僕なんかは結局、梨花さんにとっては通りすがりの男に過ぎないんだ。

そうだよね。ちょっと会えない間に他の女の子を抱いちゃう男なんかと、本気で付き合うなんてありえないよね。

僕は自分で自分を安っぽい男に仕立て上げてしまった。
どうして梨花さんに会えないあいだ、あんな風にふらふらしてしまったんだろう。
どうしてじっと、梨花さんに会える日を待てなかったんだろう。

どうしてかって・・だって僕は、梨花さんがそばにいないと、どうにかなっちゃいそうなくらい寂しいんだ。
こんな僕を許してほしい。そして、抱いて欲しい。
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