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濡。
第4章 時間停止ウォッチ
俺は産まれてから今まで
幸せだと感じたことは一切ない
学生時代は、ヤンキー達のパシリ
社会人になってからは…
痴漢の冤罪をなすりつけられたり…
たまたま同じ道を歩いてるだけで
不審者やらストーカーだと言われたり
全くを持ってついてない。
そんな俺に神様が不憫にでも感じたのか
送り主が不明の小包が届いた。
中身をみるとよくわからない時計と説明書が入ってた。
「ストップ?」
説明書にはストップを押したら時間が止まると記載されていた。
「そんな夢みたいなことあるかよ」
俺は時計を部屋の隅に投げて
布団に寝転んだ。
時が止まるとしたら何がしたいだろう。
すぐに浮かんだのは俺をゴミみたいに扱う女への復讐
銭湯行って好き放題してみたいし
海もいいよな…電車の中も楽しそうだ
色々考えていたら寝てしまって
気がついたら翌日を迎えていた。
「あ…今日は面接!やば…遅刻じゃねえかよ」
俺は慌てて…時計や服を着て駅に向かった。
ホームで電車を待つ中
時計をみると…あの時間が止まる時計を身につけていた。
「時計間違えてるし…」
落ち込みながら到着した電車に乗り込むと
同じ車両のお客は女子ばかり
そのお客全員の視線が俺を睨みつけていた。
「え?なんで男が乗ってるわけ?」
気が強そうな女が言った。
「ここ女性専用車両なんだけどお」
ギャルも続いていうと
車両に乗っていた女が全員で俺に降りろコールをしてきた。
隣の車両へ映るべく連結部分へ急ぐ。
(あ…そうか時計を試してみるか)
連結部分を通して、隣へうつったところで
女子たちは安堵して静かになっているようだった。
そんな女性専用車両に向けて
ストップボタンを押してみた。
すると…女性専用車両だけでなく電車自体が止まり、
他のお客の腕時計をみても動いてはいなかった。