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官能能力者 あおい
第29章 えっちな合宿:彼女のシジョウ
「そんな・・・結城さんはとってもかっこよくて素敵です。それに・・・
さっき、私、嘘言いました。『みんな探していましたよ』って。」
「嘘?」
私の言葉に対して、結城さんが訝しげにこちらを見る。
「ええ・・・探していたのは柊さんだけです。なんか、いつもの様子じゃなかったですよ?困っていたのかも知れませんね。頼りになる副会長がいなくて・・・。」
彼女は、ちょっと驚いたような表情を見せると、破顔した。
「それこそ、嘘・・・」
「本当です。まだ、リビング他の人いませんから・・・」
行きましょう、と誘う。
「そうね、うん。行ってみるわ。もしかしたら、ワイダニットの回答を用意しているかもしれないしね。」
結城さんがテラスから降りていく。その背後から声をかける。
「私も、全然柏木くんに好かれている自信がなくて、すぐにオロオロしちゃうんです。でも、それって、向こうも同じみたいで、私の表情とか、態度とかで、嫌われちゃったかもとか、心配してしまうようで。だから、そういうとき、ちゃんと伝えたほうがいいなって。
私の知り合いが、私に言うんです。『絶対大丈夫だ』って。他人事だと思って、って思いますけど、でも、それで勇気が出たりして。だから・・・」
言い終わる前に、結城さんは右手を上げて少し振ると、階段の下に消えていった。
結局、結城さんと柊さんがどうなったのか、よく分からなかった。
でも、帰りのバスや新幹線で、二人の距離が少し縮まっているように感じたのは、たぶん気のせいじゃないと思う。
さっき、私、嘘言いました。『みんな探していましたよ』って。」
「嘘?」
私の言葉に対して、結城さんが訝しげにこちらを見る。
「ええ・・・探していたのは柊さんだけです。なんか、いつもの様子じゃなかったですよ?困っていたのかも知れませんね。頼りになる副会長がいなくて・・・。」
彼女は、ちょっと驚いたような表情を見せると、破顔した。
「それこそ、嘘・・・」
「本当です。まだ、リビング他の人いませんから・・・」
行きましょう、と誘う。
「そうね、うん。行ってみるわ。もしかしたら、ワイダニットの回答を用意しているかもしれないしね。」
結城さんがテラスから降りていく。その背後から声をかける。
「私も、全然柏木くんに好かれている自信がなくて、すぐにオロオロしちゃうんです。でも、それって、向こうも同じみたいで、私の表情とか、態度とかで、嫌われちゃったかもとか、心配してしまうようで。だから、そういうとき、ちゃんと伝えたほうがいいなって。
私の知り合いが、私に言うんです。『絶対大丈夫だ』って。他人事だと思って、って思いますけど、でも、それで勇気が出たりして。だから・・・」
言い終わる前に、結城さんは右手を上げて少し振ると、階段の下に消えていった。
結局、結城さんと柊さんがどうなったのか、よく分からなかった。
でも、帰りのバスや新幹線で、二人の距離が少し縮まっているように感じたのは、たぶん気のせいじゃないと思う。