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官能能力者 あおい
第30章 えっちな合宿:彼女のシンジョウ
その歓迎会のとき、最近読んだ作品がたまたま同じで話がちょっとだけ盛り上がったのが佐々木先輩だった。その日、帰り道が一緒になって、なんの流れか忘れてしまったが、
「折木って、話してみると可愛らしいな」
「髪の毛上げると美人系、って本当にいたんだ」
と冗談まじりに言われたことは鮮烈に覚えている。
かっと顔に朱が差した。
かわいいとか、美人、だとか、
そんな言葉は私には似合わない、そう思っていた。
その日以来、私はミステリ研にいるときはもちろん、その時以外も、ずっと、先輩のことを目で追うようになっていた。
先輩はおちゃらけていて、それほどミステリ好きじゃないみたいだし、ミステリ研の活動も全然熱心ではなかった。重点はむしろ軽音部の方にあるみたいだった。ただ、明るいキャラクター、どんな人とも気兼ねなく話せるコミュニケーション能力、そして、たまに見せる、普段とは全く違うちょっとロマンチックな一面に、私はますます惹かれていった。
そんな先輩を見ているのが、私にとってとても大きな楽しみになっていった。
ただ、ひとつ、私を悩ませたことがあった。
見ていたから、わかる。
先輩は、ずっと、副会長の結城さんを追いかけていた。
そして、結城さんは、佐々木先輩のことが、嫌いなのだ。
自分が嫌われるのはいい。
でも、自分が大切にしている人が嫌われるのはたまらなく苦しかった。
そんな人じゃないんです。
もっと、いいところがたくさんあるんです。
確かに、真面目に会の活動に参加していないけど、音楽には熱心なところがあって、決しておちゃらけているだけじゃないんです。
そう言ってやりたかった。
先輩がいつ、私の思いに気づいたのかわからないけど、私達は自然と付き合うようになっていた。
そして、初めてのキスが3ヶ月前。
セックスに至るのにそんなに時間はかからなかった。
むしろ、私の方から先輩にぐいぐい迫っていったくらいだった。
初めて抱かれたときは、嬉しくて、嬉しくて、破瓜の痛みなんて露ほども気にならなかった。
ただ、私とキスをしていても、激しく抱き合っていても、先輩の本当の気持ちが結城さんにあるのは痛いほどわかった。
多分、私と付き合っているのも、下手したら結城さんを振り向かせるためだ。
俺のこと見てくれないと、他の子と付き合っちゃうぞ、って。
それも、これも、みんな承知の上だ。
「折木って、話してみると可愛らしいな」
「髪の毛上げると美人系、って本当にいたんだ」
と冗談まじりに言われたことは鮮烈に覚えている。
かっと顔に朱が差した。
かわいいとか、美人、だとか、
そんな言葉は私には似合わない、そう思っていた。
その日以来、私はミステリ研にいるときはもちろん、その時以外も、ずっと、先輩のことを目で追うようになっていた。
先輩はおちゃらけていて、それほどミステリ好きじゃないみたいだし、ミステリ研の活動も全然熱心ではなかった。重点はむしろ軽音部の方にあるみたいだった。ただ、明るいキャラクター、どんな人とも気兼ねなく話せるコミュニケーション能力、そして、たまに見せる、普段とは全く違うちょっとロマンチックな一面に、私はますます惹かれていった。
そんな先輩を見ているのが、私にとってとても大きな楽しみになっていった。
ただ、ひとつ、私を悩ませたことがあった。
見ていたから、わかる。
先輩は、ずっと、副会長の結城さんを追いかけていた。
そして、結城さんは、佐々木先輩のことが、嫌いなのだ。
自分が嫌われるのはいい。
でも、自分が大切にしている人が嫌われるのはたまらなく苦しかった。
そんな人じゃないんです。
もっと、いいところがたくさんあるんです。
確かに、真面目に会の活動に参加していないけど、音楽には熱心なところがあって、決しておちゃらけているだけじゃないんです。
そう言ってやりたかった。
先輩がいつ、私の思いに気づいたのかわからないけど、私達は自然と付き合うようになっていた。
そして、初めてのキスが3ヶ月前。
セックスに至るのにそんなに時間はかからなかった。
むしろ、私の方から先輩にぐいぐい迫っていったくらいだった。
初めて抱かれたときは、嬉しくて、嬉しくて、破瓜の痛みなんて露ほども気にならなかった。
ただ、私とキスをしていても、激しく抱き合っていても、先輩の本当の気持ちが結城さんにあるのは痛いほどわかった。
多分、私と付き合っているのも、下手したら結城さんを振り向かせるためだ。
俺のこと見てくれないと、他の子と付き合っちゃうぞ、って。
それも、これも、みんな承知の上だ。