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官能能力者 あおい
第39章 間章:それぞれの文化祭②折木さんとバラードと
文化祭では、佐々木さんの属する軽音部がセッションをした。当然のごとく、佐々木先輩を求めてやまない折木さんも行くわけで・・・。二人の間で起こった、ちょっとしたドラマを折木さん視点でお送りします。
☆☆☆
第二体育館。私が今いる場所だ。

文化祭初日、午前中の早い時間は舞台を使用する部活による最終リハが行われる。
私はミステリ愛好会にしか所属しておらず、その愛好会の出し物は展示だけなので、すでに準備は終わってしまっている。あとは担当の時間に受付に座っていればいいので、他の部活動が最終の準備に充てているこの時間は特にやることがない。

そんな私が向かうところはひとつしかない。
佐々木先輩が舞台リハをしている、ここ、第二体育館である。

夏休みに佐々木先輩に振られて以来、セックスどころか、ほとんど会話らしい会話をしていない。高島さんに励まされはしたけれども、「自分の気持ち」とやらを伝える機会を持てずにいた。

体育館の二階から見下ろすようにリハをしている軽音部を眺める。佐々木先輩がボーカルを務め、その他、ギターやらパーカッションやらで総勢5人が舞台に上がっている。舞台に上がらない部員を含めると、総勢12人とのことだった。

音合わせが終わったようだ。パーカッションが入り、ギターが主旋律を紡ぐ。私も聞いたことがあるバラードだ。

《ずっと好きだった、ついには言えなかったけれど》

などと歌い上げている。

選曲が先輩なのは見え見えだ。あの人のことを思っているのだろう。
『掴みどころがない』と言われた女はどんな歌を歌えばいいのだろう。

それでも私は、ここでこうして彼のことを見ていたいと思ってしまう。
少しでも、近づきたいと思ってしまうのだ。

軽音部のリハが終わる。3曲歌うらしい。
演劇部が舞台準備をし始めたので、私は第二体育館を離れることにした。
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