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官能能力者 あおい
第39章 間章:それぞれの文化祭②折木さんとバラードと
☆☆☆
昼休み終わり間近、軽音部が舞台入りのために控室にいる時間だということは分かっていた。控室からは人がひっきりなしに出入りしているので、中に先輩がいるのも確認済みだ。
言おう・・・。そう思って来たけれど、いざ言うとなると、足が前に進まなかった。
怖いのだ。
『もう終わりにしよう』
そう言われた瞬間のことは今でも脳裏に焼き付いている。まるで地面がなくなったみたいに、世界が壊れてしまったかのように感じた。
もう一度、あんなふうに言われたらと思うと、怖くて、先に進めない。
控室の扉が見える階段昇降口に隠れるように私は佇みながら、ひたすらに逡巡していた。もしかしたら、セッション前にこんな事を言ったら迷惑をかけるかもしれない・・・。そんな思いもあった。
ちらっと扉を見てはため息をつく。
やっぱりダメ。そう思って、引き返そうとした矢先だった。
「折木・・・」
私の真後ろに、階段を上がってきたと思われる佐々木先輩が若干驚いたような顔をして立っていた。
昼休み終わり間近、軽音部が舞台入りのために控室にいる時間だということは分かっていた。控室からは人がひっきりなしに出入りしているので、中に先輩がいるのも確認済みだ。
言おう・・・。そう思って来たけれど、いざ言うとなると、足が前に進まなかった。
怖いのだ。
『もう終わりにしよう』
そう言われた瞬間のことは今でも脳裏に焼き付いている。まるで地面がなくなったみたいに、世界が壊れてしまったかのように感じた。
もう一度、あんなふうに言われたらと思うと、怖くて、先に進めない。
控室の扉が見える階段昇降口に隠れるように私は佇みながら、ひたすらに逡巡していた。もしかしたら、セッション前にこんな事を言ったら迷惑をかけるかもしれない・・・。そんな思いもあった。
ちらっと扉を見てはため息をつく。
やっぱりダメ。そう思って、引き返そうとした矢先だった。
「折木・・・」
私の真後ろに、階段を上がってきたと思われる佐々木先輩が若干驚いたような顔をして立っていた。