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官能能力者 あおい
第43章 間章:科学部の日常
三者三様である。科学部の活動の理念はともかくとして、各部員は他の人の研究分野にあまり興味がないのが現状である。
科学部には他にもメンバーはいるが、それぞれ個性的で、あまりこの部屋に顔を出さない。出さない理由はまあ、推して知るべしである。
この二人は部長、副部長であることから責任感で出てきているというのがあるのだと思う。
ただ、僕としては、佐和切先輩は遠藤先輩に気があるのではないかと踏んでいる。佐和切先輩は遠藤先輩と幼馴染らしい。なので、遠藤先輩のことを「恭(きょう)」と下の名前で呼ぶ。また、何かというと遠藤先輩に話しかけているし、僕に対する話し方と、遠藤先輩に対する対応では全く違う。
以前、「神農本草経の中で惚れ薬を見つけたわ」と嬉しそうにしていたのを思い出す。佐和切先輩はややマッドサイエンティスト気質があるので、遠藤先輩に対してそれを試そうとしているのではないかと密かに心配している。
遠藤先輩は遠藤先輩で、何を考えているのかよくわからないところがある。
「さて、今日の活動だが、その前に、柏木。お前、彼女出来たらしいな」
カバンの中からノートと筆記用具を取り出そうとしたときに突然変なことを切り出され、びっくりした拍子にカバンをひっくり返してしまう。その辺にカバンの中に入っていたノートやら本やらが散らばってしまう。
「あらあら、そんなに動揺しなくても」
佐和切先輩と遠藤先輩も拾い集めるのを手伝っててくれる。
「あ、いや・・・動揺したわけじゃあ」
いったい突然何を言い出すんだこの人は。
「かわいいのか?名前は?」
改めて席につくと、遠藤先輩が問い詰めてくる。いつの間にか、佐和切先輩も椅子を引いて、僕の方に身体を向け、興味津々といった体でこちらを見ているので、まるで2対1で尋問を受けている気分になる。
「か・・・かわいいです」
いや、実際、あおいちゃんはものすごくかわいいが、いったいこの時間はなんだ?
「そうか・・・かわいいのか・・・羨ましいな。」
うーんと腕組みをして考え込む遠藤先輩を、じとーっとした目で佐和切先輩が見ている。明らかに嫉妬心が燃え上がっているように見えるが、当の遠藤先輩は目を閉じて何やら考えているので、それには一向に気づかない。
科学部には他にもメンバーはいるが、それぞれ個性的で、あまりこの部屋に顔を出さない。出さない理由はまあ、推して知るべしである。
この二人は部長、副部長であることから責任感で出てきているというのがあるのだと思う。
ただ、僕としては、佐和切先輩は遠藤先輩に気があるのではないかと踏んでいる。佐和切先輩は遠藤先輩と幼馴染らしい。なので、遠藤先輩のことを「恭(きょう)」と下の名前で呼ぶ。また、何かというと遠藤先輩に話しかけているし、僕に対する話し方と、遠藤先輩に対する対応では全く違う。
以前、「神農本草経の中で惚れ薬を見つけたわ」と嬉しそうにしていたのを思い出す。佐和切先輩はややマッドサイエンティスト気質があるので、遠藤先輩に対してそれを試そうとしているのではないかと密かに心配している。
遠藤先輩は遠藤先輩で、何を考えているのかよくわからないところがある。
「さて、今日の活動だが、その前に、柏木。お前、彼女出来たらしいな」
カバンの中からノートと筆記用具を取り出そうとしたときに突然変なことを切り出され、びっくりした拍子にカバンをひっくり返してしまう。その辺にカバンの中に入っていたノートやら本やらが散らばってしまう。
「あらあら、そんなに動揺しなくても」
佐和切先輩と遠藤先輩も拾い集めるのを手伝っててくれる。
「あ、いや・・・動揺したわけじゃあ」
いったい突然何を言い出すんだこの人は。
「かわいいのか?名前は?」
改めて席につくと、遠藤先輩が問い詰めてくる。いつの間にか、佐和切先輩も椅子を引いて、僕の方に身体を向け、興味津々といった体でこちらを見ているので、まるで2対1で尋問を受けている気分になる。
「か・・・かわいいです」
いや、実際、あおいちゃんはものすごくかわいいが、いったいこの時間はなんだ?
「そうか・・・かわいいのか・・・羨ましいな。」
うーんと腕組みをして考え込む遠藤先輩を、じとーっとした目で佐和切先輩が見ている。明らかに嫉妬心が燃え上がっているように見えるが、当の遠藤先輩は目を閉じて何やら考えているので、それには一向に気づかない。