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官能能力者 あおい
第44章 ブレインハッカー:謎の侵略者
「はああん♡」

嬌声を上げると、顔をのけぞらせるように上げる。その顔は歓喜に蕩けていた。
腰が不自然に前後に動いている。動く度に「はん♡あん♡」と甘い声を響かせる。

僕はやっと何が起こっているか理解した。
誰かがあおいちゃんを視線で犯している!

気づければ対処も分かる。傍らにあったシーツをバッと広げるとあおいちゃんの身体を覆った。身体が覆われると、糸の切れたマリオネットのように、あおいちゃんはぺたんとうつ伏せになった。

肩で大きく息をついているが、特にそれ以上の責めはないようだ。一安心したが、犯人を突き止めなくてはいけない。僕は教室を見渡した。当然、僕ら以外はいない。
ついで、扉を開き、廊下を見渡す。誰もいない。左右に伸びる廊下には人影はなかった。
たった今まで少なくともあおいちゃんを視認できる距離にいなければいけないはずなのに、あの一瞬で視界から外れるなど不可能なはずだ。

扉を開閉する音も聞こえなかったので隣の教室に飛び込んだ可能性はない。僕らが実験をしていた教室の向かいは窓だが、この教室は校舎の4階だ。ここから飛び降りることなどできない。

まさかとは思ったが、教室のカーテンを開いてみる。そこにはバルコニーなどはないので、人が立つことなどできない。

誰だ?そして、いったいどうやって消えた?

とりあえず、あおいちゃんを抱え起こす。

「あおいちゃん!大丈夫?」
目をとろんとさせ、半開きの口からはまだ荒い息が漏れている。イッた後のあおいちゃんの特有の表情だ。かわいい・・・とか言っている場合じゃない。

問題はふたつある。
ひとつは、犯人はどうやって消えたか。
そして、最大の問題は犯人があおいちゃんの秘密を知っていることだ。

姿が見えない犯人に、あおいちゃんのバックドアを知られてしまったという事実に、僕は背筋が寒くなった。
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