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官能能力者 あおい
第46章 ブレインハッカー:不可視の加虐者
あれから、僕たちは更に警戒を強めていた。学校の行き帰りはもちろんのこと、授業中も可能な限りあおいちゃんを一人にしないようにしたし、あおいちゃん自身にも、視線への対処が直ぐにできるように訓練もした。

ただ、もちろん、こういった防衛戦には限界がある。

なんとか、ブレインハッカーを捕まえないと・・・、そればかり考えていた。

「冬馬、今日、私委員会なんだけど・・・。」
ああ、そうだった。あおいちゃんは修学旅行委員会になっていたんだった。その会合で、今日は会議室に行くことになっていた。

「うん、近くにいるようにするよ。だから・・・」
僕はあおいちゃんの腕のスマートウォッチを指差し、「何かあったらすぐに知らせてね」と告げた。

今日、僕も部活がある。科学部の定期ミーティングだ。科学部の活動場所である第二理科室とあおいちゃんがいる会議室は同じ棟の1階と2階なので、すぐに駆けつけることができる。委員会は1時間程度だという。科学部の活動と同じくらいなので、帰りは早く終わったほうが図書館で待っていることにした。

「おっそいわよ!柏木くん!」
「柏木ー、最近、おせーぞ」
異口同音に僕を責める副部長の佐和切先輩と、部長の遠藤先輩。だから、あなた達が早すぎるんですってば。
普段は棚の向こうのパソコンスペースにこもっている遠藤先輩も、今日は珍しくこっち側に来ている。

「さあ、ミーティングを始めようか・・・」
遠藤先輩が口火を切る。いつものミーティングが始まった。

しばらく互いの研究成果について報告をする。
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