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官能能力者 あおい
第46章 ブレインハッカー:不可視の加虐者
☆☆☆
「二重人格?」
冬馬の言葉に私は驚いた。そんなの、お話の中だけの存在だと思っていた。本当にいるんだ・・・。
ここは、学校の最寄り駅近くのカフェ。あのブレインハッカー事件の解決から1週間が経過していた。
私は季節のモンブランパフェ、冬馬はかぼちゃのタルトとコーヒーを注文していた。
あのあと、PCからは学校中の盗撮画像が出てきた。それで警察沙汰になったのだが、当の遠藤恭一郎がその事実を「全く覚えていない」と否定したのだ。
それで、警察から簡易鑑定に回って、と、そういう中で出てきたのが「二重人格」という診断名だった。
「まあ、正確な診断のためには、もうあと3ヶ月位鑑定にかかるらしいけどね」
二重人格というのは通称というか、俗称で、正確には「解離性同一性障害」とかいうらしい。要は、一時的に別の人格に乗っ取られてしまうということで、その間の記憶はある人とない人がいるということだった。
遠藤恭一郎は記憶が「ない」タイプの二重人格だったようだ。
警察は単に「盗撮犯」として検挙したのだが、冬馬はブレインハッカーの真の目的をこう考察していた。
「多分、あいつ、便宜的にブレインハッカーと言うけど、は、自由に遠藤先輩の身体を使えなかったんじゃないかな?」
冬馬の説明を私なりに理解したところでは、ブレインハッカーは精神だけの存在で、遠藤先輩が油断したり、なんらかの形で意識を手放さないと自由に動けなかった。しかし、そこに、私という存在を知った。これは、多分研究ノートを見たせいだろうということだった。
(この点に関しては、冬馬から300回くらい謝られた。もういいよ・・・)
私の存在を知り最初は好奇心であれこれちょっかいを出していたが、脳そのものを外部から操れることに気づき、自分という存在を「あおい」に焼き付けて乗っ取ろうとしたのではないか、と。
「二重人格?」
冬馬の言葉に私は驚いた。そんなの、お話の中だけの存在だと思っていた。本当にいるんだ・・・。
ここは、学校の最寄り駅近くのカフェ。あのブレインハッカー事件の解決から1週間が経過していた。
私は季節のモンブランパフェ、冬馬はかぼちゃのタルトとコーヒーを注文していた。
あのあと、PCからは学校中の盗撮画像が出てきた。それで警察沙汰になったのだが、当の遠藤恭一郎がその事実を「全く覚えていない」と否定したのだ。
それで、警察から簡易鑑定に回って、と、そういう中で出てきたのが「二重人格」という診断名だった。
「まあ、正確な診断のためには、もうあと3ヶ月位鑑定にかかるらしいけどね」
二重人格というのは通称というか、俗称で、正確には「解離性同一性障害」とかいうらしい。要は、一時的に別の人格に乗っ取られてしまうということで、その間の記憶はある人とない人がいるということだった。
遠藤恭一郎は記憶が「ない」タイプの二重人格だったようだ。
警察は単に「盗撮犯」として検挙したのだが、冬馬はブレインハッカーの真の目的をこう考察していた。
「多分、あいつ、便宜的にブレインハッカーと言うけど、は、自由に遠藤先輩の身体を使えなかったんじゃないかな?」
冬馬の説明を私なりに理解したところでは、ブレインハッカーは精神だけの存在で、遠藤先輩が油断したり、なんらかの形で意識を手放さないと自由に動けなかった。しかし、そこに、私という存在を知った。これは、多分研究ノートを見たせいだろうということだった。
(この点に関しては、冬馬から300回くらい謝られた。もういいよ・・・)
私の存在を知り最初は好奇心であれこれちょっかいを出していたが、脳そのものを外部から操れることに気づき、自分という存在を「あおい」に焼き付けて乗っ取ろうとしたのではないか、と。