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官能能力者 あおい
第46章 ブレインハッカー:不可視の加虐者
「洗脳、という言葉を使っていた」

もし、それが本当なら、怖すぎる。
もう少しで私は私ではなくなってしまうところだったのだ。

冬馬は、私が体育館で犯された時、周囲を検索して注意しないと見つけられないほどの小型カメラを数台見つけたという。そして、その電波を記録しておき、後ほど発信源を特定したのだ。

それが、第二理科室だった。

そして、委員会の当日、遠藤先輩が自分を遠ざけるような発言をしたこと、佐和切先輩の言動から、どうやら妨害電波が走ってることを察知し、言われたとおりに生徒会室に行かないで、遠藤先輩が尻尾を出すのを待っていた、というのだ。

それで、決定的な証拠をみつけて、ブレインハッカーを捕まえようとしたのだ。

もちろん、これにはリスクがあった。もし、タイミングがズレて私がまた犯されたら、というのを冬馬は一番に心配してくれていた。

そこで、登場したのが、これ。今もかけている「伊達メガネ」である。

研究を続けた私達は、ついに超能力を効果的に遮断する方法を見つけたのだ。

『目を、何かで覆いさえすればいい』

それは、少しでも屈折率があるものであればいいのだ。多分、コンタクトでも大丈夫。
それが分かって以来、私は気分に合わせてメガネを付けたり、カラコンを付けたりすることになった。

そうしてから、一度も視線でいたずらされることがなくなったのだ。

私と冬馬は、この妙な超能力・・・官能能力を完全に克服したのだ。
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