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官能能力者 あおい
第47章 エピローグ:クリスマス・ラブ
夏は猛暑だったが、冬はやっぱり冬だ。寒い。

私はもこもこのベージュのマフラーを巻き直す。明日香には「ちょっとオシャレ度が足りないのです!」と言われたが、温かいのだからしょうがない。

ただ、その下はオフホワイトのセーターだし、薄い臙脂色の厚手生地のスカートはなかなかおしゃれに見えるのではないかと思っている。

そして、今日の私はメガネバージョンだった。理由は・・・ちょっと今は言えない。

昨日で、二学期が終わり、今日は冬休み最初の日。冬馬とデートの約束をしている。少し早くつきすぎてしまった。

クリスマスムードに彩られた町並みを見ながら、駅前広場のベンチで冬馬を待った。本当は粉雪でも降ったりすれば雰囲気出るんだけどな・・・。

まあ、東京じゃ無理か・・・。

空はカラッと良い天気で、これはこれでデート日和である。
ただ、今日は、本当はあまり天気は関係ない。

あ、冬馬が来た・・・。

冬馬は薄手の灰色の長いマフラーに、少し濃いめのグレーのセーター、下は黒のジーンズというなかなかにシックな出で立ちだった。

カッコいい・・・。

ほうと、ため息が出る。

どちらからともなく、キュッと抱き合う。
最近は、デートのたびにこれくらいのハグはしょっちゅうする。最初は人前で恥ずかしい、という思いがあったが、すぐに慣れてしまった。

だって、気持ちいいんだもん。

そして、今日は・・・今日は・・・。

キュッと私の手を冬馬が握ってくれる。そのまま連れ立って電車で移動。前々から二人で調べていたところに行くのだ。

かわいい、ブティックホテル。

クリスマスが近いこの日、私と冬馬はお互いの『初めて』を捧げ合うことに決めていたのだ。
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