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幼遊戯
第2章 冬休み~夏海~
「こんこんこん」

部屋をノックする音に、私はドアの方を振り返る。

「暖房ならちゃんときってあ……」

言いかけて私は思わず口をつぐんだ。

「ど、どうしたの?」

「どうしたもこうしたもあれから全然夏海がこねえから」

春樹はそう言うとベッドのすぐそばに座り込んだ。

あの夏休み以来、学校で会えば挨拶もするしバカなことを言い合ったりはするものの、私はいまだに春樹の部屋に入れないでいた。

「だって……」

「だって何?」

そこまで言いかけて私は口ごもった。

何て言うの?意識しちゃって、とか?

いや、何か誤解を生みそうな言い方だな。

「っつうか夏海の部屋寒い」

「あーお母さんがねー」

「何でお前だけ布団入ってんだよ」

「じゃあ一緒に入る?暖房は使うなって言われてるから使えないし」

私の言葉に春樹は鼻をすするとコートを脱いだ。

パーカーとジーンズのまま、私の布団にごそごそと入る。


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