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幼遊戯
第2章 冬休み~夏海~
「顔近っ!」

「仕方ねえだろ!夏海の母ちゃんに玄関先で長話に付き合わされたんだからよ!」

あー、つかまってたの春樹だったのか。

どうりで春樹の体が冷たいわけだ。

「それはそれは御愁傷様でした」

「顔、笑ってんだけど?」

鼻先がくっつきそうなほど近くで笑い合う。

久々に春樹と二人きりになったというのに、恐れていたような気まずさはなく、私は少し安心した。

「で?何で来なかった?俺が怖くなったとか?」

「は?何うぬぼれてんの?春樹が怖いとかないわー」

「じゃあ何で来ねえんだよ!」

「えーだってさー」

「だって何だよ」

「思い出しちゃうじゃん」

「何を?」

「何をってその……」

そこまで言うと私は春樹とは反対の方へ体を動かした。

絶対今顔赤いはず。

だってほっぺが熱いもん。

こんなの見られたら春樹に何て言われるか分かんない。

「……じゃあその先もしてみる?」

「は?」

「だってあの時のこと思い出すんだろ?それって欲求不満ってことじゃねえの?」

「よ、欲求不満って!」

何か私が痴女みたいな言い方!

「女の子だって性の欲求くらいあるって言ってたぜ?」

「誰が?」

「従兄弟の隆弘が」

あー隆弘兄ちゃんか。

あの人すっごくモテるもんなー。

隆弘兄が言うと何だか説得力あるわー。




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