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誰にも言えない!
第3章 この気持ちは…?
カフェオレを飲み干して
水道でマグカップを洗う
先生が好きだと分かってから
一緒に居ることさえも意識してしまう
マグカップを洗い終えて手を拭こうと
いつもタオルのあるところを探す
「あ、タオル洗っちゃったから上の棚にあるよ」
先生にそう言われて水道の上にある棚に手を伸ばす
届きそうで届かなくてなかなかタオルを取りだせないでいると
その様子を後ろにいる先生が笑って見ていた
「竹内には届かないか」
そう言って、そして
私を包み込むように私の後ろに立ち
タオルを簡単に棚から取り出す
後頭部に先生の胸が当たって
あまりの近さにドキドキした
先生はそのまま私の前でタオルを広げ
手を拭くよう促す
その体勢はまるで
後ろから抱きしめられているようで
顔が熱くなる
手を拭き終え先生の方を振り返る
振り返り自分よりも30cm程背の高い先生を上目で見る
同じように背の低い私を見下ろす先生と
目が合ってしまった
周りの景色が見えなくなる
先生の顔しか、見えなくなる
すっと通った鼻筋
こげ茶色の目に長い睫毛
いつ見ても綺麗だと思う
先生も同じように
私をずっと見つめていた
顔に血が上って
熱くなってくる
こんな赤くなった顔なんて
先生に見られたくないと思い
慌てて顔を下に向けた
すると
「竹内…」
先生はそう言って私の顎を掬い上げ上を向かせた
「下向くな…」
先生の少し掠れた甘い声に
胸の奥が締め付けられた
恥ずかしいのに
もっと先生を見ていたい
先生に見つめられたい
そう思ってしまう
あまりの緊張に
息をするのさえ忘れていた
どれだけ見つめ合っただろうか
“先生方に連絡します。
これから職員会議を始めますので――…”
職員会議の連絡の放送が流れ
先生と私はふと我に返り
お互いに体を離した
「―っごめん」
「あ、いえ、
あの、タオル、ありがとうございました
じゃあ、私帰りますね」
先生に軽く頭を下げ
私は顔を見られないように演習室から出た