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誰にも言えない!
第4章 自分に嘘をついて…

それから私達は私の家の前にいた




玄関のドアの前に立って傘を閉じる

よしくんのおかげで私は雨に濡れなくて済んだ




「ごめんねわざわざ玄関まで送ってもらっちゃって」




「いや、いいよ

それより本当に傘もらっていいの?」




「もちろんだよ、
このまま歩いて帰るんでしょ?」




「おー、ありがと」




そう言って横に居たよしくんが
もう一度傘をさそうと右腕を出した時、
よしくんの淡い水色だったはずのパーカーの色が
真っ青になっていることに気がついた




(まさか、私が濡れないようにしてくれたから

濡れちゃったのかな・・)




「じゃあ、俺行く、わ…」




気がつけば私は
後ろを向いて歩き出そうとするよしくんの服のすそを掴んでいた





「どうした?」





「あ、ごめん私のせいで濡れちゃったんでしょ?」





「あー、これか

大丈夫だよちょっと濡れたくらい」



そういってよしくんは微笑む




「だめだよ、上がってって

服乾かすから」






「え、いいの?」


昔からの仲の私達だったら
家に上がることなんて何の抵抗もないはずなのに
よしくんは少し躊躇っていた





「?全然かまわないけど?」




「だって今日親さんいないんだろ?」




「そうだけど…
迷惑とかじゃないよ?」





(どうしてそんなに躊躇うんだろう…
いつものことなのに)






「…そっか」






「じゃあ、上がって」






「…お邪魔します」





ドアの鍵を開けて招き入れる私に
少し気まずそうにしながらよしくんは家の中へと進んだ




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