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誰にも言えない!
第4章 自分に嘘をついて…
ガチャン――・・・
ドアを閉めてリビングへ向かう
「とりあえず上着脱いでて!
タオル持ってくるから」
私は後ろのよしくんには目を向けず
洗面台へと向かった
棚からタオルを取り出して
よしくんの元へ戻る
「・・・よしくん?」
よしくんは上着を脱がず
リビングで立ったままでいた
「どうしたの?
上着脱いで座ってていいよ?」
よしくんは私を見つめたまま動かない
「・・・なあ」
か細く掠れたよしくんの声は
甘さを含んでいた
「七海は俺をなんだと思ってる?」
「え・・・?」
(どうしちゃったんだろう)
「幼馴染…?」
「幼馴染なら、男を家に連れ込んでも大丈夫だと思ってる?」
「え、どうしたの・・?」
よしくんの真剣な目は私を捉えて離さなかった
「俺だって男だよ分かってる?」
よしくんはそう言いながら私の前までゆっくりと歩み寄ってきた
「え、ちょっと・・」
私は壁まで追い詰められてしまう
真上によしくんの顔があって
恥ずかしくて顔を俯かせた
「七海・・」
俯かせた顔は
よしくんの手によって上を向かされる
嫌でも合ってしまう目は
熱く潤んでいる
「・・・・っ」
何も言えずぎゅっと目を瞑ると
ふわっと体が包まれるような感覚がした