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誰にも言えない!
第6章 内緒の関係



玄関で靴を履いて外に出る



もう6時半だというのに
外気は生温くじめっとしていて気持ちが悪い






こうして何度

よしくんと肩を並べて歩いただろうか




今までは友達として、幼馴染として
ほとんど家族のように接してきた


それはお互いそのはずだったのに






男女の仲は簡単に変わってしまうものだ






私は無言で歩くよしくんを横目で見た


何も知らないよしくんは
私が話を始めるのを待つかのように静かだ









私は息を吐き


口を開いた









「ねえ、さっきの話なんだけど…」








「おう」








よしくんは前を向いたままだ










もう返事なんて決まっていた








だけど…






今までの関係が崩れるのが
辛かった








「あのね、私よしくんのこと男の人って今まで意識したことなくて

この間言われて考えるようになったの

よしくんは家族みたいに大切な人だし大好きだけど


ごめんね




私、好きな人がいるの」






自分の気持ちも
好きな人がいることも正直に話した






よしくんは前を見つめたまま何も言わない






私も何も言えず下を向いた







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